コクヨの「キャンパスノート」に隠された「ある工夫」
実際に使っているノートを見せてもらって工夫
'11年からの5代目も細かなところに変更が加えられています。例えば、よく見ていただくとわかるんですが、ノートの真ん中に小さな点が打ってあるんです。 これは、短い定規でも上から下まで線が引けるように考えたものでした。学生の筆箱に入る定規の長さは、だいたい15cmから16cmで、これではノートの上から下まで線を引こうとすると届かない。 そこで、途中経過のところに点を打ったんです。点も、見えるけど気にならない微妙な濃さにこだわっています。 また、5代目では紙も変えています。環境に配慮し、なるべく原材料を減らしたいという考えのもとパルプの使用量をこれまでよりも減らしました。 ただ、リピートしてずっと使ってくださっている方が多いですから、書き心地は絶対に変えたくはありませんでした。 これまでの書き心地は維持、いやこれまで以上の書き心地の良さを目指しました。おかげさまでリピーターの方からも評価をいただくことができました。 リニューアルや進化においては、ユーザーの方からたくさんのリサーチをさせていただいています。 ただ、「どんなことにお困りですか」とお尋ねしても、「別に困っていないです」「不自由はないです」という声が戻ってくることが大半です。 そこで参考にさせていただいているのは、実際に使っているノートを見せていただくことです。 3代目から4代目のクロスの強化や、5代目でいろいろ使いやすくなったリニューアルは、見せてもらって、「もっとこうすれば使いやすくないのではないか」という小さな工夫を重ねていったものでした。 ちなみに今、学生に一番使っていただいているのは'08年発売の「キャンパスノート ドット入り罫線」です。罫線のすべてに小さなドットが等間隔に入っています。 これは、東大生のノートを研究されているライターの太田あやさんが、書籍を出すにあたって取材に見えたことが開発のきっかけでした。「誰でも東大生みたいにきれいにわかりやすくノートが取れる。そんなノートが新たに開発できませんか」という話をもらったんです。