引退のナダルに盟友たちが惜別の言葉。フェデラー「素晴らしいキャリアを祝福する」、ジョコビッチ「ライバルと呼ばれ光栄」＜SMASH＞
現地11月19日に行なわれた男子テニス国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ・ノックアウトステージ」（スペイン・マラガ／室内ハードコート）で現役生活に幕を閉じた元世界ランク１位のラファエル・ナダル（スペイン／38歳）。かけがえのない３人の盟友たちが、“赤土の王者”の約23年にもわたる輝かしいキャリアを称えている。 【動画】ビッグ４はじめ多くの選手仲間やアスリートがナダルにはなむけの言葉を贈ったメモリアルビデオ 引退セレモニーでナダルが身近な人々への心からの感謝を伝え終えると、会場のモニターに自身の名場面を収めた１本のビデオが流された。そこには共に“ビッグ４”としてテニス界を牽引してきたアンディ・マリー氏（イギリス／元１位）、ロジャー・フェデラー氏（スイス／元１位）、ノバク・ジョコビッチ（セルビア／元１位／現７位）も登場。各々がナダルへのはなむけの言葉を贈った。 今夏のパリ五輪で現役生活に別れを告げたマリー氏は「あなたの競技への情熱や熱意は、全てのテニス選手が目指すものであり、全てのテニスファンがそれを思い出すことでしょう。あなたのプレーを見るのは素晴らしい経験でした。これまでの全てのことに感謝しながら、引退後の生活を楽しんでください」とコメント。 ナダルとツアー公式戦最多の60度の対戦を経験したジョコビッチは「あなたの粘り強さや闘志、コートで見せたエネルギーやパワーは、これからも多くの世代に受け継がれることでしょう。あなたのライバルと呼ばれたことはとても光栄でしたし、とてもうれしく思っています。テニス界、そしてスポーツ界は、あなたがこの競技にもたらした素晴らしいエネルギーを深く惜しむでしょう。あなたの功績を称え、大切にすべきことがたくさんあります」と述べた。 そしてナダルとテニス界並びにスポーツ界で最高のライバル関係を築き上げたフェデラー氏は過去の思い出を振り返りつつ、こう語りかけた。 「あなたが素晴らしいキャリアを築いたことを祝福します。一緒にプレーできたことは本当に光栄でした。共に築いた思い出の中で一番印象的なのは、もちろんあなたが私を破った2008年のウィンブルドン決勝です。あなたの素晴らしいご家族と共に、今後の人生が素晴らしいものになるよう願っています」 また動画には四大大会で男女を通じて歴代２位の23勝を誇る元世界女王のセレナ・ウィリアムズ（アメリカ）も登場。「本当にあなたは私のキャリアにおいてもとても大きな存在でした。あなたは私にたくさんの勝利を目指すよう、挑戦し続けるよう、努力を重ねるよう、そして成長を目指すよう、インスピレーションを与えてくれました。まさに、あなたのようにプレーすることを目指していました」と、常々ナダルから大きな刺激を受けていたことを明かした。 男子選手歴代２位の四大大会22勝（うち全仏14勝）を含むツアー92勝を挙げ、“生涯ゴールデンスラム”（四大大会と五輪制覇）の偉業も達成するなど、幾多の華々しい功績を残したにもかかわらず、常に謙虚で誰からも愛されたナダル。そんな彼のプレーがもう見られないのは本当に寂しい限りだが、第２の人生も幸多きものになることを願うばかりだ。 文●中村光佑
