「熱いものを飲むとノドが痛い」その後、15時間の手術を受けることに 多くの病を抱えながらも屈強に今を生きる理由とは
新たな冒険への準備
「めぐみの会」の継続が難しくなったことと、自身の緑内障の進行で移動が困難になったこともあり、織田さんは地元である東郷町に活動を拠点うつしました。 ここでは、がん患者だけでなく、高齢者や障がい者、生活弱者の方がよりよく生きられる地域づくりをするために「NPO法人ノーマCafé」を発足。 高齢者福祉、身元保証、配食事業、子どもの自然体験活動、オルタナティブスクール、多世代交流音楽活動やカフェ事業と様々な活動を実施しています。 そこでは、生活に困難を抱えている方に必要な情報が伝わりにくい現状の改善と、楽しく幸せと感じられるような機会に出向きたいが多くの人がそうできない状況や環境にあるという課題の解決が必要でした。 織田さんはそのような人たちに情報を届けるために、様々な方法で発信して広く知ってもらい地域に根付いた活動にすることを目標としています。そしてそのためにも、人と人とを繋ぐ場所と仕組み作りが必要だと話します。 人口4万3千人規模の東郷町であれば、実現できると考えた織田さんは「東郷ささえ愛家族」というプロジェクトを昨年開始。町民が家族のように、支えあい、助け合うことで、誰もが住み慣れた地域で最後まで普通に暮らせるようにすることを目標に活動を進めています。 いつか失明するであろう自分の人生に向けても、歩行訓練やパソコン・スマホなどのICTと点字訓練に通ったり、生活に欠かせないブラインドボクシングをしたりと、明るい未来を見越し、生活している織田さん。 「失明した後は今見えているものは見えなくなりますが、見えなかったものが見えるようになるかもしれない。そんな新たな世界を冒険の旅としてワクワクしながら楽しめるよう、意図的に想像しています」と語ってくれました。 「個人的にはこれから先、たとえ失明したとしても、最後まで明るく、楽しく、幸せな人生を送り『いい人生だった』と感謝して旅立つことが目標です」と話す織田さん。 うつ病、食道がん、視覚障害といったリスクに屈することなく、人と人との繋がりを感じ、楽しく幸せに生きてこられたのは人や活動団体との縁があったからこそだと何度も感謝を口にします。 織田さんの挑戦を惜しまないパワーと周囲の人たちへの愛が、今後はさらに大きな輪となり広がっていくことでしょう。 出典:公益財団法人日本眼科学会『緑内障』 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=35 出典:国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『食道がん』 https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/index.html 出典: 国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『ダンピング症候群』https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/dumping_syndrome.html 出典:国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス『リンパ節郭清』 https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/lymph_setsukakusei.html
ほ・とせなNEWS編集部