「熱いものを飲むとノドが痛い」その後、15時間の手術を受けることに 多くの病を抱えながらも屈強に今を生きる理由とは
ボクシングへの思い
術後、自身の体と心に意識を向けたことで食道がんを克服したと語る織田さん。月日が経ち、講演会やセミナー、相談やコンサルの仕事が忙しくなり、再び生活習慣が乱れストレスを感じるようになったといいます。 55歳のとき、一度原点に帰って自分自身を整えるために時間と労力を使おうと、ランニングや筋トレを始めました。体が整った半年後、織田さんは20代の頃にやっていたボクシングにチャレンジします。もともとはプロボクサーの織田さん。中日本地区のライト級新人王に輝いた経歴の持ち主です。 織田さんにとってボクシングは自分自身を見つめ、確認する手段であり、精神を安定させるものだといいます。ボクシングで限界突破することにより、自分の可能性はまだ伸びしろがあると確認するために、欠かせない生活の一部となっています。 そんなボクシングへの思いは消えることはなく、現在もブラインドボクシングという形で続けている織田さん。もし失明したとしても体力が続く限りやっていきたいと話します。
「がんになっても明るく、楽しく、幸せに!」めぐみの会
織田さんは地元愛知県で「がんになっても明るく、楽しく、幸せに!」をスローガンに掲げ、がん経験者の会「めぐみの会」を立ち上げました。 「がんを治すこと」に焦点を当てるのではなく「がんになった人生をいかによく生きるか?」に焦点を当てて、がんを新しい人生の始まりと捉えることができるような機会と場所を提供する活動をおこなっていました。 がんになって不幸な気持ちでいる人の人生を、いい人生と感じられるように。そのきっかけの場として、めぐみの会では「めぐみ音」「めぐみ太鼓」「めぐみRUN」といった活動を運営。 合唱、和太鼓のチームを構成し、ホールを貸し切ってコンサートを開催したり、運動グループ「めぐみRUN」では、名古屋シティマラソンにエントリーしたりして活発に活動しました。 他にも、日進市にぎわい交流会という市が運営する交流会で毎週金曜日に「めぐみえん」としてカフェを開き、ランチ提供やランチ交流会を開催しています。 しかし、これらの活動は、新型コロナウイルスの流行により感染リスクを考慮したうえで活動を自粛。そうしているうちに会員数も減り、活動を大幅に縮小する選択を余儀なくされたといいます。