「3日間で小説を作り上げるからこその熱量がある」 ー3拠点同時開催する“NovelJam2024”の新たな挑戦
NovelJamが目指す未来
―― NovelJamを続けていくことで、創作や出版業界にどのような影響を与えたいとお考えですか? 波野:NovelJamは、出版全体を俯瞰できる、いわばミニチュア出版なんです。通常の出版プロセスでは、それぞれの立場でのものしか見えていないことが多いのですが、NovelJamでは企画のスタートからリリースして売り上げを見るところまで全部自分たちでやります。 このミニチュア体験を通じて、より多くの人が出版全体を俯瞰することができるようになれば、出版業界全体にも新しい視点がもたらされるのではないかと期待しています。 また、出版不況が言われている中で、本づくりが他人事になっているという現状があります。NovelJamの体験を通じて、本づくりをより身近に感じてもらえれば、出版業界全体の活性化にもつながるのではないでしょうか。 ―― NovelJamの参加者たちのその後の活動について教えてください。 波野:NovelJamの参加者の中から、プロの作家としてデビューした人もいますし、コミカライズの原作を担当したり、ゲームシナリオの原作を担当したりする人も出てきています。また、SF関係の商業短編集に名前が載るようになった人もいます。 ただし、これらの方々は元々それなりの実力を持っていた方が多いので、NovelJamがきっかけになったというよりは、NovelJamでの経験が何かしらの糧になったのではないかと思います。 ――最後に、NovelJamに興味を持った人へのメッセージをお願いします。 波野:NovelJamは、単なる小説を書くイベントではありません。それは、自分の限界に挑戦し、新しい可能性を見出す場所です。3日間という短い期間で本を作り上げるというプロセスは、確かに大変かもしれません。しかし、その過程で得られる経験や気づき、そして仲間との絆は、かけがえのないものになるはずです。 特に、「本を書いてみたいけど、なかなか踏み出せない」という方にこそ参加してほしいと思います。NovelJamは、そんな方々の背中を押す絶好の機会になるでしょう。また、すでに執筆経験がある方にとっても、新しい創作スタイルを試す良い機会になると思います。 そして、編集やデザインに興味がある方にも、ぜひ参加していただきたいです。著者とともに1冊の本を作り上げる過程は、きっと新鮮で刺激的な経験になるはずです。 NovelJamは、参加者一人一人の熱意と創造性によって成り立っています。皆さんの参加を心からお待ちしています。一緒に、新しい文学の形を探求し、出版の未来を切り開いていきましょう。 NovelJam 2024 開催概要 日時:2024年11月2日(土)~2019年11月4日(月) 10時~17時 (東京会場は21時まで、最終日は15時に閉会式) 場所:東京都江戸川区、新潟県阿賀北地域、沖縄県名護市 定員:著者16名(編集・デザイナーの人数による)、編集者8名、デザイナー5名~8名(応募多数の場合、事務局にて選考を実施) 参加要項、注意事項、参加申込みなどはこちら https://www.noveljam.org/2024/08/10290/ 参加申込みはこちらから https://www.noveljam.org/2024/10/10311/
聞き手・文:藤井創