「べらぼう」かつて大河ドラマで主演を務めた渡辺謙から横浜流星へのアドバイスとは?
1月5日から放送が始まる大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。今作は、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた蔦屋重三郎の波瀾(はらん)万丈の生涯を描く、笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマだ。 横浜流星が演じる“蔦重”こと蔦屋重三郎は、幼くして両親と生き別れ、吉原の引手茶屋(遊郭の案内所のようなところ)の養子となる。吉原の、血のつながりを超えた人のつながりの中で育った蔦重は、とある思いから書籍の編集・出版業を始め、後に“江戸の出版王”へと成り上がっていく…。 今回は、そんな物語でキーパーソンとなる人物・田沼意次を演じる渡辺謙さんにインタビュー! 役作りや今作への思いなどを語ってもらった。
――渡辺さんは、1987年の大河ドラマ「独眼竜政宗」で主演を務め、そのほかにも何度か大河ドラマに出演されていらっしゃいますよね。大河ドラマの現場をよくご存じだと思いますが、変わったなと感じるところを教えてください。 「『西郷どん』(2018年)の時も若干感じてはいたんですけど、撮影の規模が大きくなってるんですよ。セットが分散しているので、僕も撮影の期間が結構空いて。初期の頃は週1でリハーサルして、みんなで飯食ったり、顔を合わせながら1年間を過ごすみたいな大河だったので、連帯感がすごくあったんですよ。今回、僕、吉原の人は流星ぐらいしか会ってないので。作品が出来上がった時に『あっちの世界はこうなっているのか!』とびっくりするんじゃないかな。僕は、江戸城内の堅苦しい感じばっかりです。明日の撮影は自分の家のシーンなので、田沼は老中ですが、堅苦しくなく、平静の呼吸でできるかを、美術も含めていろいろ考えたいなと思っています」 ――一方で、変わらないのはどういうところでしょうか。 「スタッフの熱量は変わらないなって。今日も、美術に『こういうのないかな?』と言ったら、1時間ぐらいで用意してくれて。美術スタッフと、役が生きている時間を作っていくセッションは前から好きでやっていたので、それはいまだに楽しいですね」 ――町人文化の中で描かれる田沼をどのように捉えられていますか? 「最近、いろいろな作品でやたら出てくるので、比較検討されるのも嫌だなと思いながら(笑)。でも、一元的に歴史や人を見るのはつまらないと思うので。『何が彼をそういう行動にさせたのか』『彼が国や民のことをどう思っていたんだろう』というところから発露していけば、おのずと違った視点で描けると思うので、読み込みどころかなと。あとは、脚本の森下(佳子)さん頼みですね」 ――衣装のこだわりはありますか。 「足軽上がりなので、城中にいる時は地味な裃(かみしも)なんですけど、家にいる時は『これ着る!?』みたいな不思議な着物を着させてもらったりもしています。そういうところで、彼の独自性というか、ひと筋縄ではいかないようなところを視覚的に出していけたらなと」