「べらぼう」かつて大河ドラマで主演を務めた渡辺謙から横浜流星へのアドバイスとは?
――今回の舞台となる江戸という時代の面白さはどう感じていますか? 「例えば戦国とかだと、欲望がストレートなのでやりやすいと思うんですよ。だから、市井の人たちの話を大河ドラマでやるのはなかなか冒険だなと思うし。今日も演出の方と話したんですが、吉原ってものすごくルールが厳しいんですよ。だから、戦国時代の方がフィクションとして作ることができるのでやりやすくて。吉原は、いろんな階層やルールが厳しくて、かつ資料が残っているので、結構大変ですと言っていましたね。そういうヒエラルキーが起こす切なさ、喜びみたいなものをドラマとして描いていくことは、かなり挑戦的ではあるけど、面白そうだなと思いますね。僕はなかなか吉原には、関われないですが」
――主演の横浜さんとは何かお話しされましたか? 「25年公開の映画『国宝』でも一緒にやっていたので、続いているんです。一緒にご飯も食べましたね。最初に話したみたいに、撮影の方法が僕の時代と違っていて、自然とチームワークができる感じではなくて、共演者との接触が少なかったりすると思うので、『とにかくニコニコして元気で頑張れよ』と話をしました。江戸ことばなど、役へのプレッシャーもあったみたいですが、『好きにやれよ!』と言っておきました」 ――主演がニコニコしているのはやっぱり大事なのでしょうか? 「大事ですよ。やっぱり、機嫌が悪い主役って、駄目なのよ。無理してでも、スタジオに入る時って、気持ちをぐっと持ち上げて、『こいつのために何かしてあげたいな』とみんなに思ってもらえる主役じゃないと、なかなか長い仕事って持たないんです。だから、『常に均等に気持ちを持って、現場に入った方がいいんじゃない?』っていう話をしました」
――視聴者は田沼と平賀源内(安田顕)のシーンも非常に楽しみにしていると思います! 「明日から撮影なんですよね。漫才コンビじゃないですけど、“ダブルけん”でやっているので、どんな顕ちゃんが出てくるのか、楽しみですね。森下さんもちょっと遊んでいるところがあるので、彼がたくさんしゃべらなきゃいけなくて。『ちゃんとセリフ覚えてこいよ』って(笑)。お互いにセッションしながらキャラクターを作っていけたらと思います」 ――城中での松平武元(石坂浩二)との撮影はいかがでしたか? 「大好きな先輩なんですけど、本当に腹が立つぐらい嫌味を言われて、嫌いなシーンです(笑)。本当に気持ち良く、憎々しくやっていただいております。あと、田安賢丸役の(寺田)心もすごいですよ。会うのをすごく楽しみにしていたんですけど、また背が伸びて。賢丸がすごく若くして、じくじたる思いを持ってぶつかっていくシーンがあったんですけど、『どんなに憤っても、怒っても、君(賢丸)はいいとこの生まれのボンボンだから品だけは絶対なくさないでね』と言ったら、『分かりました!』と頑張ってやっていましたね。すごく良かったです」 ――ありがとうございました。