15歳で母に。「子どもがかわいそう」厳しい意見も届くが、それでもこれが私の選択。悲しい結果を生まないために、発信することをやめたくない
困ったら周りに助けを求めて
――14歳で妊娠した時に戻れたら、今の自分から何かアドバイスすることありますか? 横井さん:周りにもっと助けを求めてもいいんだよ、と伝えたいですね。一人で抱えなければ、ほかの未来もあったかもしれないと思うので。実際に今の中・高校生の女の子でも、無理やり関係を迫られた子もたくさんいるし、恥ずかしいことだからと周囲に話せない子も多いと、この活動を始めてから実感しています。 私自身がそうだったように、一人で抱えちゃうんですよね。だからまず、当事者の私がそういう環境を少しずつ変えるために、今悩んでいる、今後悩むかもしれない方の力になれればと思うんです。 そんな気持ちもあって、最近はメディアで声をあげることだけではなく、「暗闇ヘッドスパ(株式会社純度100)」の社長として、困っている方々が遠慮なく悩みを話せる居場所をつくりたいと思っています。過去の自分も、きっと誰かに話を聞いて欲しかったから。 ヘッドスパを通してリラックスしてもらいながら、悩みを聞いて、たくさんの方の支えになりたいです。
私と息子の幸せのために、お金も労力も時間も費やしたい
――今現在、ご家族は、桃花さんや息子さんとどんな関係なのでしょう? 横井さん:母に初めて打ち明けたときには驚かれましたが、産んで育てる決断をしてからはずっと応援してくれています。頑張れるところまで頑張りなさい、そう決めたのはあなたなんだから、貫き通しなさいと。息子の成長のイベントや誕生日には、お祝いもしてくれます。 今は、私と息子は実家から出て独立してますが、手のかかる頃は同居して、いろいろと支えてくれました。私は親として息子に怒らないといけない時もあるため、息子はおばあちゃんに甘えています(笑)。 ――シングルマザーで育てる、さらには子の認知や養育費問題など、想定していたことはありますか? 横井さん:私自身もシングルマザー家庭で育っているので、大変なことは十分に分かっていました。子どもの時はパパが欲しいと思ったこともあるし、公園で家族で遊んでるのを見ると心苦しく感じる時もありました。でも今の時代、シングルの方や未婚の方、周囲にたくさんいるし、ネガティブなイメージも徐々になくなってきています。 当初は、「認知をしてほしい」「養育費をもらいたい」という気持ちも確かにありました。「なんで私だけが育てるのか」「彼も息子の人生に責任を取るべきだ」と思って。 そういう問題に詳しい弁護士に相談しに行きましたが、無理やり性交があったことに証拠がないことや、当事者しかわかりえないことだから、この方向で戦うのは難しいと。では別の方向からアプローチすると、手続きや裁判など、まず認知の手続きの裁判をしてから、養育費の裁判をする、2回裁判をしなきゃいけなくて。養育費については強制執行の制度はあるものの、支払われないケースもたくさんあります。 膨大な時間や労力、金銭面での負担がこちら側にかかる割には、確実性がほとんどないんです。 だから、そこに私の時間や労力、お金を割くのではなく、私と息子の幸せのために費やしたいと思って、割り切りました。