JALの新パートナー! インド最強LCC「インディゴ」が、自国でシェア60%を誇る3つの理由
進化と生産性のジレンマ
インディゴは現在、インドの最強エアラインとして君臨しているが、気になる点がひとつある。それは、インディゴが 「インド人が豊かになった後も、現在の最強エアラインとしての地位を維持できるか」 という問題だ。インドの経済成長は急速であり、今後はフルサービスの航空会社を利用できる経済的余裕を持つ人が増えるだろう。実際、インディアの老舗航空会社であるエアインディアは、タタ財閥傘下に入り、同業のビスタラを買収するなど、再び攻勢をかけており、このような需要に応えようとしている。 一方、インディゴは、シートピッチを96cmに広げ、手荷物の持ち込みや機内食を無料にするなど、快適性を高めた「IndiGo Stretch」を導入して対抗している。しかし、LCCとしてのイメージを大きく変える展開であり、清掃などにも手間がかかるため、これまでの強みだった生産性が低下する可能性も否定できない。 LCCのなかには、インドネシアのライオンエアのように、フルサービスの会社を立ち上げる動きもある。今後、さらに豊かになるインド国民に対して、インディゴがどのように対応していくのかが注目される。
前林広樹(航空ライター)