金融緩和続けるのは「物価上昇2%目標達成のため」日銀・黒田総裁会見1月18日(全文3完)
地銀向け特別付利制度を延長する考えは?
記者:すいません、ニッキンの【タダ 00:53:48】と申します。地域金融機関の経営基盤強化を狙った特別付利制度について伺います。地域金融ですとかは結構、大半といいますか、付利対象先になってるんですけれども、金融機関の収益力強化ですとか、あと経営の効率化の状況を現状どうみられているかということと、加えてなんですが、22年度までの時限措置だとは思うのですが、制度の延長ですとかっていうお考えは現状あるのか教えていただければと思います。 黒田:効果につきましては一定の分析を公表しておりますけども、それなりの効果があったというか、単に経費節約ということだけでなく、新たな収益源を拡大して、地域金融機関の稼ぐ力というか、それが高まっていると。それは当然、地域経済に対してプラスの効果を持つというふうに考えております。いずれにいたしましても、この制度につきましては今後とも十分効果を見極めていきたいというふうに考えております。今の時点で、期限までの、そのあとどうするかということは、まだ決めておりません。
変動幅拡大が緩和効果を弱めかねないとの懸念があるのか
記者:読売新聞の【セキネ 00:55:33】でございます。12月の決定会合で、市場のゆがみを修整するために0.5%に変動幅を拡大したわけですが、今回、共担オペの拡充によって金利低下を促すということにしたわけですが、これは、12月の変動幅拡大によって金融市場における金利が上昇し、緩和効果を弱めかねないという懸念をお持ちになったということなんでしょうか。 黒田:そういうことよりも、ちなみに金融政策、あるいは金融政策の緩和効果につきましては、基本的には実質金利で見る必要があるわけですが、これは常に展望レポートなどでも示しておりますけども、実質金利は、実はずっと下がってきて、極めて金融緩和の効果っていうものは大きくなっていると、むしろ、ということであります。0.25%から0.5%に10年物金利の変動幅を拡大したことが、それがこういった、実質金利が非常に大きく低下して金融による景気への効果が極めて大きくなっているものに対して、何か深刻なっていうか、相当の影響が出るというふうにはまったく考えておりません。 従いまして、そういった心配で何かしたっていうよりも、債券市場の機能度を改善する観点から行ったわけですけれども、必ずしもその趣旨が十分反映されてない面があったもんですから、そういった面で市場調節の手段、方法も拡充して、そういった市場機能改善の効果が十分出るようにイールドカーブのゆがみを是正し、適切なイールドカーブの形成に、より役に立つようにしてきているということであります。すなわち金融政策の緩和効果が弱まったので、それを強めなければならないっていう趣旨で何か共通担保オペの拡充をしたということではありません。 記者:幹事社です。会見終了まであと5分となりました。質問をあと3人ぐらいとさせていただければと思います。1人1問でお願いいたします。