【ウインターカップ2024】福岡大学附属大濠の片峯聡太ヘッドコーチ「12月29日まで成長できる、最後まで成長したい」
「マインドがちゃんとディフェンスに向いている」
──片峯コーチがそう言えるのは、チームの仕上がりがかなり良いことを表していると思います。ここから優勝するために必要な一手は何になりますか。 「あれもこれもそれも」と思考と行動が分散しないことですね。練習から選手同士でよくしゃべって、情報交換はすごくやっていますが、勝負の中では情報がありすぎても「ただいろんなことを知っているだけのチーム」になってしまいます。ベンチから与える指示もより端的に必要なものを選択する必要がありますが、情報過多になるんじゃなくて情報の中から「これとこれ」という取捨選択を、リーダの湧川裕斗、経験値のある高田将吾や渡邉伶音が求心力を発揮してやれれば。その「これとこれ」に対して全員が一枚岩になれれば、このチームのパワーは相当なものだと思っています。 コートの中での求心力がもう少し出てくれればと思いますが、これはウインターカップの中で今日よりも明日、明日よりも明後日とチームが少しずつ成長できれば、そういう姿になるはずなので、そこは慌てずに。無理に求めすぎてしまうと、「一体感とかリーダーシップを出すことが目的」になってしまうので、そこは気を付けながらですね。ウインターカップも含めて12月29日まで成長できるチームだと思っているので、最後までしっかり頑張ります。 ──今年のどこかで、チーム作りで何らかの軌道修正をした部分はありますか。 見竹怜をチームキャプテンにしたことですね。湧川がチームキャプテンとゲームキャプテンの両方をやっていたのですが、トップリーグの途中でケガで数週間別メニューの時期があって、その時期に見竹をチームキャプテンに指名しました。それまでも副キャプテンだった見竹が精神的に大人に近付いてきて、チームを俯瞰して見れるようになり、寮でもすごく兄貴分として慕われているんですよね。そういった良い感じを練習でも出してくれたのがきっかけです。これは湧川がダメなのではなく、見竹がここまでチーム運営の部分で汗をかけるのであれば、湧川もゲームキャプテンとしてコートの中でチームが良い方向を向くことを頑張る方が良いと思って湧川に提案しました。湧川も見竹のことを認めていて、「そっちの方が自分も集中できます」と言うので決めました。 見竹は自分のことを頑張りながらチーム全体のことも見る。湧川はコートの中で自分のこととチームのことを考える。そうやって役割分担したことで、ウインターカップ予選から今まですごく良い状態でチームが回っています。 ──今年の大濠のバスケはどんなスタイルですか? 今の選手たちが1年の頃からクローズアウトゲーム、クローズアウトの状態に対してどう攻めるか、キックアウトするのか合わせとかがすごく良いチームになっています。今回のトップリーグでも、そのシチュエーションでのPPP、つまり得点期待値が1あるんですよ。要は100回あれば100点取れるという数字が出るぐらい高確率なので、そこは過去のチームと比較してもかなり強いと思います。 センターの伶音もシュートを打てて、シュートが上手い選手が揃っているのでそういう数字になるのですが、そこは今年のチームの色だと思います。それでいて今すごく良いのは、みんなのマインドがちゃんとディフェンスに向いていること。シュートが入るか入らないかに試合の勝敗を委ねるのではなく、ブレずにやるべきことが「ディフェンスだよ」と3年生中心にすごくよく分かっています。そこは例年になく堅いところですね。