深刻なコロナ禍 地方発男性グループ、新たなエンタメの在り方を模索 IT企業とコラボも
「完全には元通りにならない」今後に向け大切にしたい原点
今後の展望について油布さんに聞くと、「完全には元通りにはならないと覚悟しています」と話す。 「本来、ダンス&ボーカルグループとして展開していきたいので、CD予約会などの接触イベントは本筋から言えばなくなってもいいものなんですけど、現状、それが本人たちの食い扶持でもありました。ただこれからはインストアイベントをやって新しいファンを集めて、ライブに動員して、という流れがなかなかできなくなると思うので、サブスクなどにシフトして行こうかなと考えています。秋には有名アーティストとコラボすることが決定しているのですが、サブスクなどで音楽を聞いてもらって良さをわかっていただけたら、ということで考えていますね」
今こそ「音楽を届けていきたい」という原点を見直すタイミングではないかと、油布さんは話す。今後はリアルなイベントの限定的な再開とともに、配信にもさらに力を入れ、ハイブリッドでブランドを発信していく方法を考えているとか。実際に、ITベンチャーと組んで独自の会員制SNSアプリ「X-Rooms」を共同開発するなど、着々と手を打っているという。会員制にすることで炎上や批判といった既存SNSの弊害も事前にシャットアウトできるのも狙いだ。次の一手をどう打つか、試行錯誤を重ねつつ具体的な方策を打っていくことが必要とされているようだ。 (文:志和浩司)
■Cool-X ボーカル:前田純基・萩凌介・馬場涼真、パフォーマー濱中元嗣・山内大輝の5人組。17 年7月開催X-HALL-ZENオーディションにてボーカル3人が選出。路上ライブでファンたった1人という状況からのスタートだったが、18年12月にはZEPP NAGOYAに1019人を動員し、デビュー1年4ヵ月にしてメジャーデビューを勝ち取った。