渡辺麻友が引退 後輩もあこがれた王道アイドル
“まゆゆ”の愛称で親しまれた元AKB48で女優の渡辺麻友(26)が、芸能界を引退することが1日、わかった。所属の「プロダクション尾木」が発表した。
発表によると渡辺は先月末をもって同社との契約を終了、引退の理由は健康上の理由で、渡辺本人からの申し出だったという。「数年に渡り体調が優れず、これまで協議を重ねて参りましたが、健康上の理由でしたので身体の事を最優先に考え、本人の意思を尊重し2020年5月31日をもちましてプロダクション尾木との契約を終了し芸能活動にも終止符を打たせていただくこととなりました」と、事務所公式サイトは報告。今後については「芸能活動を終え、心身の回復を計り普通の生活に戻れるよう健康面を最優先にさせていただきたいので、本人への取材や憶測でのSNS投稿、記事掲載などお控え頂けますよう伏してお願い申し上げます」としている。
後輩・小栗有以「やさしいお姉ちゃんのように接してくれる」
渡辺は2006年12月に第3期追加メンバーオーディションに合格し、AKB48入り。当時は中学生だった。小学生のころから会話の少ない女の子で、学校が終わって帰宅すればネットでアニメを観るなど、典型的なインドア派だったとか。AKB48を見つけたのもインターネットがきっかけだったという。そんな渡辺だが、王道アイドル路線を歩んでスポットライトを浴び、瞬く間にグループでもトップクラスの人気者となって、2014年の選抜総選挙では1位に輝いた。また、09年には「渡り廊下走り隊」としてユニットデビューしたほか、12年にはソロデビューも飾っている。女優としてもグループ在籍時から卒業後まで、さまざまなドラマ、舞台などに出演。昨年放送のNHK連続テレビ小説「なつぞら」では、広瀬すず演じるヒロインの同僚役を好演した。
グループ内での人望も厚く、後輩からあこがれの先輩として名前をあげられることの多いメンバーだ。総合プロデューサーの秋元康氏をはじめ、渡辺の真面目さに太鼓判を押す関係者やメンバーは数多くいる。チーム8・チームA兼任で活躍中の現役メンバー小栗有以も過去、THE PAGEのインタビューに「渡辺さんはステージに立っているときはキラキラ輝いているアイドルだけれど、楽屋などではおちゃめで明るく、やさしいお姉ちゃんのように接してくれる、根が本当にやさしい」と話していた。 引退は残念なことだが、渡辺が日本のアイドル界に残した足跡と多くのファンと共有した思い出は色褪せることはない。 (写真・文:志和浩司)