深刻なコロナ禍 地方発男性グループ、新たなエンタメの在り方を模索 IT企業とコラボも
コロナ禍にあって芸能界も大きな影響を受けている。アイドルグループの中には、インターネットを活用したサイン会(オンラインでカメラを通しファンとコミュニケーションしながらグッズにサインを入れ、グッズ現物は追って配送される)などのファンイベントを開くなど、運営側もあの手この手でサバイバルを図っている。そんな中、地方発の動きも出てきた。昨年11月にメジャーデビューし全国進出をねらうオール男性のダンス&ボーカルグループ「Cool-X(クールエックス)」は、IT企業と組んで会員制SNSアプリを共同開発するなど“コロナ時代”のエンタメの在り方を模索しているという。グループのプロデューサーに聞いた。
メンバーのモチベーションを保つ秘訣は
「Cool-X」は今年、結成3年になる男性5人組のグループで、パフォーマンス力をウリに成長してきただけにライブが開けなかったり、ファンイベントができないことによるダメージは大きかったという。同グループをプロデュースする油布賢一さんは話す。 「深刻なダメージを受けました。3月18日にシングルを発売したのですが、インストアでの予約会が7割方できなかった。名古屋のZIP-FMさんと組んでレーベルを作った第1弾だったのですが、損益分岐を何とか越えるのがやっとでした。ライブも3月20日からできず、今月20日に3ヵ月ぶり限定で60名を入れて開催しました。コロナ前は150~200人は動員していたのですが、会場規模とフィジカルディスタンスをはかると60人ぐらいが限界だと」 今後は社会の情勢を見ながら徐々にファンミーティングなども復活する予定というが、4月から6月途中までは無観客でのライブやイベントで危機をしのいでいた。そんな状況下、メンバーのモチベーションを保つのもプロデューサーの重要な役割という。 「無観客ライブはコール&レスポンスがないんで寂しかったりしますし、オンラインでの活動にしても充電期間中それぞれの練習を促すにしても、一つ一つの活動の意義を具体的に話して伝えることが大切だと思います。3年計画で目標を作っているのですが、それをしっかりやる。また、逆に歌詞や曲を作るチャンスとして捉えよう、とか。Cool-Xのリアルファンは300~500人ぐらいと見ていますが、そこを1000人まで増やしていこうという矢先のコロナで……。こういうときこそ、既存のファンを満足させることが大事ではないかとも思うんですよね」(油布さん) また、Cool-Xは名古屋市内にあるライブハウス「X-HALL ZEN」を経営しているエックスホールディングスの所属であることが強みになったと油布さんは明かす。 「3月末ぐらいからライブハウスの予約が全キャンセルになって、マイナス600万円ぐらいになりました。今はなんとか切り抜けたところなのですが、その間、無観客ライブや電話特典会などでマイナスを最小限に抑えたんです。ライブは無料にして、終演後に有料の電話特典会を開くことで利益を上げたんです。ライブハウスを持っているので、無料ライブができるのは強みになりました」