ゲイの「結婚相談所」ってどんなところ?隠さざるを得ない社会で「安心して楽しめる」お見合いの形【いいふうふの日】
11月22日は、パートナーに日頃の感謝を伝える「いい夫婦の日」。近年は多様な性のあり方を踏まえ、「いいふうふの日」と表記されることが増えてきた。 【画像】ゲイ向けお見合いの「紹介状」がこれだ そんな多様な「いいふうふ」の縁を結んできたゲイ専用の結婚相談所がある。2018年に開設した『ブリッジラウンジ』だ。 法律上同性同士の結婚が認められない社会で、なぜ「結婚相談所」を名乗るのか。差別や偏見がある社会で、安心して楽しく婚活できるために、どんなお見合いの形をとっているのか。 店長の田岡智美さんは「異性愛も同性愛も、望む人が好きな人と支え合って生きていくことは尊く、好きになる性以外は何も変わらない」と感じてきた。一方で「社会が両者に様々な違いを生んでいる」と、胸が痛むこともあった。 取材を通し見えたのは、当事者が置かれる実情に誠実に向き合ったサービスの形。そして「(恋愛に限らず)ゲイの人に、楽しく幸せな人生を送ってほしい」という思いだった。【佐藤雄/ハフポスト日本版】 ◆ *ハフポスト日本版は「いいふうふの日」に合わせ、ゲイの恋愛・お見合いを特集します。全3回。同じ職場で働いたことがあるけれど「お見合いがなければ結ばれなかった」と語るカップルの思い、田岡さんが「社会が生んでいる」と感じる異性愛と同性愛の違いについて掲載します。
◆前身はアプリ。シンプルなプロフィールは「社会の現在地点」
ブリッジラウンジを運営するのは、東京・渋谷区にあるベンチャー企業『xxx』(エイジィ)。「公平な機会がある社会」を目指し、空き家活用など4つの事業を展開している。 なぜゲイ専用の結婚相談所が生まれたのか。同社の髙田圭代表は「好きな人と恋愛したり、パートナーと人生を歩みたかったり。そんな望みを叶えてほしいから」と話す。 一見「普通のこと」に聞こえるかもしれない。だけれどLGBTQ当事者への差別や偏見、「異性愛が前提」の社会があり、「セクシュアリティを隠さざるを得ない人が多い」実情がある。 好きな人ができても、職場や学校での「自然恋愛」は難しい。マッチングアプリはゲイ用でも簡単に登録できるものが多く「身近な人にゲイだと知られるのでは」と怖くなる人もいる。トラブルがあってもアウティングを恐れ、泣き寝入りせざるを得ないケースもある。