上司に叱られたくない...「ミスを恐れる若手社員」が褒められる人材に変わるには?
コロナ禍をきっかけにリモートワークが浸透するなど、私たちの働き方はこの数年で大きく変化しました。社内コミュニケーションが希薄化するなかで、新しく社会に飛び出した若者たちはどのように生き抜いていけばよいのでしょうか? 【図】上司による「害のある」フィードバックの特徴 人材育成メソッド「ほめ育」の開発者で、人材研修の専門家、株式会社スパイラルアップ代表取締役の原邦雄氏が解説します。 ※本稿は、原邦雄著「社会人3年目までの、ほめられる技術」(ぱる出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
今こそ「自力で生き抜く力」を身につけろ
まさに現代は、VUCA(ブーカ)の時代です。VUCAとは「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」という4つの単語の頭文字をとった造語。「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を指します。 どうすれば、「VUCAの時代を自力で生き抜く能力」を身につけていけるのでしょうか。 そのカギを握るのが、社会人3年目までの「ほめられる技術」です。 ほめられる技術を使い、20代で「ほめられ貯金」を増やすと、困難を乗り越える力が身につきます。すると、どんな時代であろうと自力で生き抜くことができるようになるのです。一方で、ほめられ貯金を増やすには、注意される・叱られることも経験しなくてはならないのも事実です。 もちろん前近代的な悪しき習慣を押しつけるつもりはありませんが、現代の過剰な"アンチ厳しさ"の風潮には危惧を感じています。高校や大学を出て社会人になり、リタイアするまでは約45年間にも及びます。この長い期間を何のよろいも身にまとわず、無防備な"丸腰"状態で乗り切れるでしょうか? たとえばプロ野球の世界では、シーズン開幕前に約1カ月間春季キャンプを行います。この期間の練習量や質によって、レギュラーになれるかどうかが決まります。厳しいトレーニングではありますが、このときにどれだけ努力するかで、勝負の舞台に立てるかどうかが決まるのです。 「石の上にも3年」という古いことわざがありますね。成果を出すためには時間がかかるもの。その目安として昔から言われてきたのが「3年」なのです。入社して最初の3年間は、過ぎてしまえば二度と戻ってきません。この時期に何を考え、どう行動するのかが、あなたの成長を決めます。 上司から注意されたら、最初はこたえるかもしれません。でも、厳しい言葉や叱責の中にこそ愛があるととらえ、まずは上司と自らコミュニケーションを取ってみてください。 若い皆さんは、行動や経験から決して逃げてはいけません。どんどん場数を踏みましょう。そして大量に学びましょう。もしかすると壁にぶつかるかもしれませんし、思い切り叱られることもあるでしょう。でも、その全てが貴重な学びになるのです。