「レシピにアレンジを加えることが大事」 モデル・亜希さんが教える“自分の味”を作り出すコツ
“料理”は人と人の距離を縮めてくれる
小竹:亜希さんの家のキッチンはすごく綺麗だと聞きました。 亜希:そうなんです。寝る前にシンクも全て綺麗にします。水垢も嫌なんです。でも、私が寝た後に誰かが納豆を食べていて、朝起きると納豆パックが置いてあったりすると、テンションが一気に下がります。キッチンは神聖なる場所なんです。 小竹:掃除機はどうでもいいけどキッチンは綺麗にする(笑)。 亜希:掃除機はしません。シンクだけはピカピカで、下に納豆が落ちていても大丈夫。シンクに納豆はダメ、足元に納豆はOKです(笑)。 小竹:私はキッチンはそこまで綺麗ではないですが、冷蔵庫は綺麗にしています。こだわりが人それぞれあるのでしょうね。 亜希:うちの母はレンジの横に醤油とか塩とか調味料をバーッと並べていて、炒めものをすると油が飛ぶんですけど、それも平気な人だったんです。よく料理番組とかを見ると、そういうお家はたくさんある。子ども的にはきっとあれが一番落ち着くはずなんです。だけど、私はそこは綺麗に隠しておきたいんですよね。 小竹:キッチンを綺麗にしておくことに何かこだわりがある? 亜希:もちろん衛生面でも、ご飯を食べたらお腹を壊したなんて嫌じゃないですか。でも、人の家に行ったときには、キッチンが生きていて毎日動いているからこそいろいろなものが山積みなんだと感じると、すごく温かい気持ちになります。だけど、自分ではやっぱりできないんですよね。 小竹:うんうん。 亜希:気持ちを律するというか、自分の中で神の領域なので、きちんとそこは気持ち良くやりたいんですよね。 小竹:亜希さんにとって、料理とは何ですか? 亜希:人と人の距離感を縮める最も健康的な表現力かなと思います。好きになった人とチューするとか抱き合うとか、そういうことよりももっとベースにあるのは、料理したものを一緒に食べること。一番心が通い合って距離が近くなる気がします。 小竹:自分が作ってあげると喜びもありますしね。 亜希:BEAMSのAK+1をやっているときに、みなさんに1年間の お礼を込めて手料理を振る舞ったんです。そのときに男性スタッフが「今日は亜希さんの料理を食べられてすごくうれしかったけど、妻に悪い気がして…。浮気しているような気持ちになる」って言ったんです。 小竹:はいはい。 亜希:どれだけ真面目な人なのって思ったのですが、それだけほかの女性の手作り料理、しかも奥さんお友達とかではなく会ったこともない女性の手料理を食べるというのは、すごく魔力があるんだなと思ったんです。それだけ人の心を動かす力が料理にはある。 小竹:たしかに。 亜希:テレビの仕事でも、スタジオに行ってコメントを読んでお疲れ様と言って帰るより、一緒に料理をすることで呼び方も変わるんです。あだ名で呼んだり、マミーと呼ばれたり、そういうちょっとした心の通いや会話の通いが生まれますね。 小竹:最後に、今後やってみたいことや挑戦してみたいことを教えてください。 亜希:子どもたちも成長して1人の時間 が増えていく中で、一番やりたいことはご飯屋さんを作っていきたいです。まずはキッチンカーもいいかなと思っていたのですが、キッチンカーは暑い日も寒い日もあるから大変かなって…。 小竹:トイレにも行けないですもんね。 亜希:たしかにそうですね。なので、ご飯屋さんはやりたいです。でも、それがどういうメニューかとかも全然なくて、メニューがないお店をやりたいです。 小竹:メニューがない? 亜希:あそこにあれがあるから行くということではなくて、今日は何があるかわからないけど亜希さんに会いたいなとか、そういう会話も含めて、あるもので今日はこれだよと言って作るみたいな。でも、それだけやるので料金は高めに設定します(笑)。 小竹:亜希さんのお店ならみんな来ますよ。 亜希:自分ができることは、その日の体調やその日にあるもの次第だったりするので、お膳で出す和食屋さんみたいなことではなくて、ちょっと今までにないようなお店をやってみたいです。 小竹:ファッションより食のほうがチャレンジしてみたい? 亜希:ファッションはずっと続けていきたい1つではありますが、温暖化もあったりして、自分のやりたいことと売れるものが違ったりもするのでね。料理に関してはとにかくもっと突き詰めたいという発展途上な感じです。 (TEXT:山田周平) 【ゲスト】 ■亜希さん 1969年、福井県生まれ。モデル、アパレルブランド「AK+1」のディレクションを務めながら、情報番組のコメンテーターを務めるなど幅広く活躍する。大学生と高校生のスポーツ男児に作り続ける豪快な家庭料理やお弁当は、雑誌やテレビなどで話題に。明るく飾らない人柄が、幅広い層の女性に支持を得ている。YouTube『亜希の母ちゃん食堂』を配信中。著書に『家 ごはんと野球』(CCCメディアハウス)、『亜希の『ふたが閉まるのか?』弁当 』(オレンジページ)、『お弁当が知ってる家族のおはなし』(集英社)、『亜希のことば』(講談社)がある。 Instagram: @shokatsu0414 https://www.instagram.com/shokatsu0414 Youtube: @thebapartment4513 https://www.youtube.com/@thebapartment4513 【パーソナリティ】 ■クックパッド株式会社 小竹 貴子 クックパッド社員/初代編集長/料理愛好家。 趣味は料理。仕事も料理。著書『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』『時間があっても、ごはん作りはしんどい』(日経BP社)など。 X: @takakodeli https://twitter.com/takakodeli Instagram: @takakodeli https://www.instagram.com/takakodeli/
執筆者情報
■クックパッドニュース編集部 日本No.1のレシピサイト「クックパッド」のオウンドメディアであるクックパッドニュースでは、毎日の料理にワクワクできるような情報を発信しています。人気レシピの紹介や、定番メニューのアレンジ、意外と知らない料理の裏ワザをお届けしています。