計算力は【小学3年生まで】の基礎力で決まる!「計算ミス」「計算が遅い」悩みの解決法は?暗算力UPの問題から、高学年の計算ミスの原因まで!
解決ステップ③ 基礎に戻ろう。その際の注意点も
■前の学年に戻る時は子どものプライドを尊重して 4・5年生になってくり下がりがまだ十分に理解できていないと気づいた場合、子どものプライドもあり、基礎に戻ることを受け入れるのが難しいことがあります。そんな時には、自然に基礎を見直せる、次のような方法がおすすめです。 ・計算アプリを使う ・計算を取り入れたパズルに挑戦する ・学年が入っていない進級式ドリルや単元別のドリル(たし算、ひき算、かけ算など)を使う ・6年間の算数をまとめた一冊の問題集に取り組む(時間に余裕がある夏休みに計算力を鍛えるのが効果的、薄めの問題集でOK) ・塾に通うのもおすすめ ゲーム感覚で計算力を鍛えられるのがよいでしょう。また、買い物に一緒に行き、予算内ですき焼きの材料を買わせるなど、生活の中で自然に数字に触れる時間を作ることが大切。学年にとらわれず、自分のペースで進められるものを選べば、子どもも楽しみながら復習できます。
解決ステップ④ 1日5分、集中してやろう
■イヤイヤ計算練習をやるのはNG 計算練習はダラダラやっても効果は上がらないので、短時間でも集中して取り組むことが重要です。トレーニングは1日3~5分で十分です。花まる学習会の計算教材「サボテン」では、たとえば3分と決めて、その時間内に終わらなくても、前日と比べて進歩があれば良しとしています。 いちばん良くないのは集中していない状態でダラダラ計算を続けること。結果としてミスが増えて「やっぱりできない、計算が嫌い」となってしまうからです。計算嫌いは算数では致命的。絶対に避けなければなりません。逆に、計算が楽しくなれば自然と正確さとスピードが向上し、良い循環が生まれます。必ず時間を区切って毎日コツコツ行うようにしてください。
生活の軸とセットにして習慣化を
集中しやすい朝に計算や漢字に取り組むのが理想ですが、晩御飯の後やお風呂の後など、お子さんの続けやすいタイミングで構いません。生活習慣の中に組み込むのが続けるコツです。その子に合ったやり方で無理なく習慣化することが大切です。 小学校の基礎ができていないと、中学以降の数学でも苦手意識が継続し、そのうちに数学自体の学習を諦めてしまう可能性もあります。もし不安を感じたら、塾に通うのも一つの方法です。計算の習慣は、歯磨きと同じように毎日コツコツと続けることが大切。少しずつ積み重ねていけば、必ず力になりますので、今日からさっそくやってみましょう! *記事内の図や式は『算数嫌いな子が好きになる本 増補改訂版』(高濱正伸監修/松島伸浩著、カンゼン刊)を参考に掲載しているものです。 【教えてくれたのは…】 松島伸浩|花まるグループ スクールF C代表 1963年生まれ。現在、スクールFC代表兼花まるグループ常務取締役。教員一家に育つも、私教育の世界に飛び込み、大手進学塾で経営幹部として活躍。36歳で自塾を立ち上げ、個人、組織の両面から、「社会に出てから必要とされる『生きる力』を、受験学習を通して鍛える方法はないか」を模索する。その後、花まる学習会創立時からの旧知であった高濱正伸と再会し、花まるグループに入社。のべ10,000件以上の受験相談や教育相談の実績は、保護者からの絶大な支持を得ている。『中学受験 親のかかわり方大全』『中学受験 物語ですらすら頭に入る よく出る漢字720』(実務教育出版)、『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』(カンゼン)など著書多数。
取材・文/黒澤真紀