ヒグマにとって10年ぶり“山の異変” 「秋になり出没がピタッと止まった」 クマの主食 “ドングリ”が大豊作 人里に出なくても山に食い物いっぱい でも冬眠前はやっぱり要注意 油断は禁物 北海道
冬眠前のこの時期、活動が活発になるクマ。 しかし今年は少し様子が違うようだ。 山で起きている「ある異変」を調べた。
2024年も相次いだクマの目撃
11月9日、岩見沢市内で捕獲された冬眠前のクマ。 体長は約1.5メートル。 撮影者が付近を歩くたびにクマは敏感に反応し、警戒している様子を見せていた。 「人がいる。歩行者が」(目撃者) 8月、道東の標茶町で撮影された映像だ。 歩道を歩く男性を追い掛けようとするクマの姿をカメラが捉えていた。 「逃げろ逃げろ逃げろ逃げた」(目撃者) 男性を追い掛けようとしたクマは車に気を取られたのか、道路わきに姿を消した。 男性はこの車に乗せてもらい難を逃れた。 こちらは夜の住宅街を歩くクマ。 7月、道北の枝幸町で体長2メートルのクマが現れた。 このクマは付近の水産加工場のごみを荒らしたとみられている。 出没は札幌市西区山の手の住宅街でも。 防犯カメラには玄関のすぐ近くを3頭が歩く様子が捉えられていた。 2024年も道内で相次いだクマの目撃。 一方、ここ数年でなかった「ある異変」が起きている。
ヒグマにとって10年ぶり “山の異変”とは
「札幌市西区の登山道入り口です。こちらミズナラという木なのですが、あたり一面たくさんドングリが落ちています」(斉藤健太 記者) 無数に落ちているのは「ドングリ」だ。 実は2023年、ヒグマの主食になるドングリの実りが回復傾向にあった。 道の調査によると、不作や凶作が続いていたドングリの実りは2024年、10年ぶりに“並作”となったという。 ドングリが不作だった2023年はクマの目撃も4055件と過去最多となったが、2024年は2023年に比べて激減している。 「10何年間歩いていてこんなにドングリやクルミの実もなったことない。今年は異常にある」 「すごく多いですよ。ドングリは大豊作。山ぶどうも多い。今年はクマ出てこないと思う。いままで出てきていたでしょ、エサなくてね」(いずれも登山者)
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