【ABC特集】「魚をさばいたこともなかったが…」29歳で会社員から魚屋に転身 亡き父のように 地元のお客に寄り添う3代目「鮮魚の行商」に密着
こちらは、千恵子さんの代になってから利用するようになったというお客さん。 (千恵子さん)「このタイめっちゃおいしいですよ。すごい脂だらけで」 (常連客)「じゃあタイを。きょうめっちゃご馳走やわ。めっちゃ好き」 この日、イチオシのタイと朝競り落としたばかりの白バイ貝のお造りを購入です。 (常連客)「(行商は)珍しいし、めちゃくちゃ助かって。仕事中に出かけられないので。しかもこんな新鮮なお魚はめったに食べられないんで」
「お客さんに寄り添う」新たな商品やサービスを提案
後を継いでもうすぐ5年。今では、千恵子さんならではの工夫が光ります。 (母・有佳子さん)「主人(先代)は、そのときの競りにあるものだけを加工したりして売りに行っていたんですけど、うちの子の場合はあらゆるところから魚を仕入れて、みりん干しでも、自分で作って自分で開発したっていうか、本当に独自の」 千恵子さんは間人に限らず、宮津や舞鶴といった複数の漁港から魚を仕入れて、豊富なラインナップをキープ。さらに・・・
(千恵子さん)「シロイカ(ケンサキイカ)をお中元に使われる方がいらっしゃって」 鮮度が保てる地域には、丹後の旬の味覚を配送。主に加工品は、インターネットショップでも買えるようにしました。 (千恵子さん)「そんなにたくさんの魚種とか品数扱えるわけじゃないんですけど、その分お客様に寄り添って、商品提案したりとか真心込めて作ったり、そういうところで他のところ(業者)との差別化をはかって」
昼夜働きづめ 手は傷だらけ
それにしても千恵子さん…よく働きます。お昼に1時間から2時間ほどの休憩は取るそうですが、あとはずっと動きっぱなし。 (千恵子さん)「午前6時とか6時半から…休憩も挟みますけど、終わるのは午後8~9時。午後7時に終わることないですね」
夕飯を挟んで夜遅くまで仕込みをすることも。この日、やると決めていたのは・・・ (千恵子さん)「“鬼の三枚下ろし”。骨やヒレを全部取って、大変なんです」 トビウオ50匹を1人で!
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