「チャリティーなのに金儲け」「ギャラや広告費を返上しろ」“24時間テレビ批判”が、いかにも的外れである理由
そして、寄付金の着服問題も起こる中、「どのようにしていくらの寄付金が集まり、それがどのように使われて、どのような結果になったのか」という情報開示もさらに求められるようになった。 事業計画書や事業報告書、決算報告書は開示されており、それを読めば概略はわかるのだが、シンプルすぎるし、何よりもそれを探して読む人はほとんどいないだろう。 情報を開示することで、余計な批判を招いてしまうところもあるのだが、SNSに限らず、メディアも実態を理解せずに批判をしていることが多いので、誤解を訂正するうえでも適正な情報発信は必要だ。
■“不祥事”はどのくらい問題だったのか? 最後に、4の不祥事やトラブルに関して述べておきたい。 今年、最も批判を浴びたのが、寄付金の着服問題だ。これが発覚したのは昨年11月だが、今年の「24時間テレビ」の放送時にも、着服に対する「説明がない」「謝罪がない」という批判を受けている。 誤解している人も多いのだが、着服を行ったのは、日本テレビではなく、系列局の「日本海テレビ」(鳥取)の「社員」である。
日本テレビが組織ぐるみで着服を行ったのであれば、今年の「24時間テレビ」はおろか、番組自体の打ち切りも検討しなければならないほどの大きな不祥事である。 日本海テレビは日本テレビの系列局であり、日本テレビは大株主でもある。そういう企業の社員個人が着服を行ったというのが本事件だ。 従業員が横領を行った場合、責任を問われるのは、当該の従業員であり、企業ではない。今回は寄付金の着服ではあるが、日本テレビに責任が問われるとしても、せいぜい管理責任までであって、着服したことに対してではない。
日本テレビ側が謝罪や説明を行うとしても、「管理が十分でなかった」「今後の寄付金の管理を徹底する」といったこと以上は言えないし、それ以上のことを言うと、「日本テレビが寄付金を着服した」という誤解を招いたり、必要以上に責任を負わされたりすることになってしまう。 ■旧ジャニーズ事務所の問題は解決したか 旧ジャニーズタレントの起用については、むしろ昨年にメインパーソナリティーとして起用したことのほうが問題であったと思う。一部のファンからの批判はあるだろうが、メインパーソナリティーを廃止した今年は健全化したと言えるだろう。