息子が40代で急逝…「遺産分割について話し合いたい」と嫁から言われたのですが、そもそも親が相続できるのでしょうか?
さまざまな事情で子どもが急逝してしまう可能性はあります。子どもがすでに結婚をしている場合、遺産相続について話し合いが必要になることもあるでしょう。 状況によっては、両親が遺産を相続することもできます。ただし、話し合いでうまくまとまらなかったときは、分割割合についてなども調べておきましょう。今回は、子どもが亡くなったときに相続できる人や、遺産の分割方法などについてご紹介します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
相続は誰が対象?
まず、亡くなった方の配偶者は必ず遺産を相続する権利を有します。配偶者以外の遺族には相続の順位が決まっており、以下の通りです。 1位:子ども 2位;両親や祖父母といった直系尊属 3位:兄弟や姉妹 亡くなった方に子どもがいた場合、財産を相続できるのは子どもです。もし、子どもがいなければ、両親や祖父母が財産を相続できるようです。子どもがおらず遺言書などもなかった場合は、話し合いのうえで遺産を分割します。
遺産の分割方法は?
相続した遺産について、民法により分割割合が示されています。法定相続分と呼ばれ、間柄ごとの割合は以下の通りです。 ●配偶者と子どもが相続するとき:配偶者2分の1、子ども全員で2分の1 ●配偶者と直系尊属(父母、祖父母など)が相続するとき:配偶者3分の2、直系尊属全員で3分の1 ●配偶者と兄弟や姉妹が相続するとき:配偶者4分の3、兄弟や姉妹全員で4分の1 例えば、相続をする人物が配偶者と両親のみの場合、配偶者には3分の2が、両親には6分の1ずつが相続されます。仮に夫の遺産が6000万円だったとすると、配偶者は4000万円、両親は1000万円ずつの相続が可能です。 なお、法定相続分は、遺産分割の話し合いがうまくいかなかったときに使われる分け方なので、話し合いで配偶者と両親で半額ずつとなった場合は、それでも問題ないでしょう。
税金はいくらかかる?
相続税は、相続をする人数によって基礎控除額が変動します。基礎控除額の求め方は「3000万円+相続人数×600万円」です。複数人が相続したときの税額は以下の手順で計算します。 1 基礎控除額を引いて課税金額を求める 2 課税金額を法定相続分で分けた額に対する税率でそれぞれ税額を求める 3 求めた税額を合計したあと、今度は実際に相続した割合で分割した数値が実際に支払う税額 今回は、以下の条件で相続税額を求めてみましょう。 ●相続をするのは配偶者と両親 ●相続した遺産は総額6000万円 ●分け方は法定相続分と同じ まず、相続人数は合計3人のため、基礎控除額は4800万円です。遺産総額から4800万円を引いた1200万円が課税対象になります。 相続税の計算をするときは、課税金額を法定相続分で分けて計算しましょう。今回は、遺産を受け取る遺族が配偶者と両親なので、配偶者の課税金額は800万円、両親は200万円ずつです。 今回のケースだと、税率はすべて10%なので、合計120万円の相続税が発生します。なお、今回は実際に分けた割合が法定相続分と同じなので、税額の分担は配偶者が80万円、両親が20万円ずつになります。 さらに、配偶者には税額軽減として法定相続分程度までか、1億6000万円までは非課税です。つまり、実際に負担する税額は、配偶者が0円、両親は20万円ずつになります。