急増するJPNタクシー、現役ドライバーが明かす不満点「車内空間は広いけど」
2017年10月に登場したトヨタ自動車のJPN(ジャパン)タクシー。とくに都心ではそれまで主流だったセダンのクラウンやセドリックに替わり頻繁に見かける。筆者が乗務しているのもJPNタクシーであり、お客さんから「乗り降りしやすいし広いのでいいですね」と声をかけられることが多い。 確かに後席に限って言えば、以前のセダンに比べれて乗降がしやすく足元も広い。とくにお年寄りには優しいクルマだと思うが、ドライバーから見たJPNタクシーならではの問題点もいくつかある。今回はそのあたりをまとめてご紹介したい。 ⇒【写真】左後方の目視がかなり制限される
夏場はエアコン全開
今年の夏も猛暑日続出でタクシー業界は忙しかった。乗ってきたお客さんの多くは開口一番「あぁー涼しい。助かった」と言ってくれる。それはドライバーとしても嬉しいけれど、JPNタクシーのエアコン吹き出し口は前方3か所。後席は前方真ん中の吹き出し口から出る冷風を天井のサーキュレーターにより運ぶ仕組みなので、実はちょっと冷えづらい。 しかも車室が広いうえスライドドアを何度も開閉するため、ドライバーとお客さんの感じる温度にはかなり差がある。要するに前席が冷えていても後席はイマイチのことが多いので、夏場は18~23度くらいの設定でオートエアコンをセットしていると、ほぼ全開状態。ゴーゴーと結構やかましく、静かな車内環境にならない。 また、後部座席のサーキュレーターを使うと、お客さんの顔のあたりにモロに風があたってしまい、とくに女性から嫌がられることが多い。
冬場はシートヒーターでお尻あったか
夏のエアコンが今ひとつなのに対し、冬は後席だけに装備されたシートヒーターが活躍する。直接風が当たることなく、シートが素早く温まるのが利点だ。そのスイッチは後席の天井部分にあるので、お客さんが自由にオンオフできるようになっている。 これは前項で紹介しているサーキュレーターも同様で、風の強さを調整することが可能だ。もし操作しても何も変化がない時は、ドライバー側のメーンスイッチが入っていないためなので、その旨伝えればすぐ対応してくれるはず。 空調や窓の開閉などは、お客さんの要望が第一なので、遠慮なく伝えよう。