出口まだ…? 世界最長の道路トンネル 10選 巨大な地下建設プロジェクト
錦屏山トンネル(中国) - 17.54km
トップ10にランクインした他の道路トンネルはすべて一般に開放されているが、錦屏山トンネルは通行できる車両が制限されている。これは、世界で最も高いアーチ式ダムである錦屏ダムへの通行、および錦屏ダムと別の水力発電ダム間のアクセスを確保するためのトンネルだからだ。 錦屏山トンネルは地質が活発なことで知られる中国南西部を通っており、それもアクセスが制限されている理由の1つである。また、ダムの水力発電複合施設周辺の安全上の理由もある。 最深部では地表から2375m地下に掘られており、トンネル全長の半分以上が1500m以上の深さにある。 錦屏山トンネルの建設には5年を要した。両側から同時に掘り始め、途中で合流させる工法としては当時最長を誇った。総工費は13億人民元(約280億円)。
秦嶺終南山トンネル(中国) - 18.04km
秦嶺終南山トンネルは、前述の秦嶺天台山トンネルからそれほど離れていないが、全長と地表からの深さにおいて上回っている。最大深度1640mの秦嶺終南山トンネルは、世界でも最も深いトンネルの1つである。 それにもかかわらず、建設にはわずか5年しかかからなかった。中国国内の浅い深度を走る短いトンネルとほぼ同じ工期である。建設は2002年に開始され、2007年に開通した際にはアジア最長のトンネルとされた。 建設費は約32億人民元(約690億円)かかり、中国ではトップクラスで高額である。2本のチューブで交通の流れを分け、3基の換気塔がそれぞれに新鮮な空気を供給している。 ドライバーの疲労を防ぐため、全長にわたって屋根にはさまざまな色の照明とパターンが投影され、人工植物も設置されている。
山手トンネル(日本) - 18.20km
東京の山手トンネルは、ロンドンのブラックウォール・トンネルに似ているが、規模ははるかに大きい。ブラックウォール・トンネルは全長がわずか1.1kmで、川底から1.7mしか離れていないのに対し、山手トンネルは18.20kmの長さを誇り、東京の人口密集地の地下30mを通っている。 山手トンネルは今でも、世界最長の都市トンネルという栄誉を保持している。 最初の開通には15年を要した。住民の反対運動や周辺環境への懸念により、計画が遅れたためである。しかし、トンネルの上を通る山手通りの交通渋滞緩和につながるとして、建設が承認された。 山手トンネルを構成する直径11mの2本のチューブには、100mおきに非常用電話が設置されている。また、空気中の微粒子状物質を除去する高度なろ過システムも備えている。