出口まだ…? 世界最長の道路トンネル 10選 巨大な地下建設プロジェクト
木寨嶺トンネル(中国) - 15.22km
中国の甘粛省にある木寨嶺トンネルの設計者および建設者は、数多くの課題に直面した。現地は標高が高く、また地震活動が活発な地域である。 世界最長クラスのトンネルを掘るには理想的な条件とは言えないが、建設にはNPRアンカーケーブルと呼ばれる技術が採用された。これにより構造物が周囲の岩盤に固定され、地盤の変動によるトンネルの変形を防ぐことができる。 多くの現代的な道路トンネルと同様に、木寨嶺トンネルも2本のチューブから構成されており、それぞれが反対方向の交通の流れを担っている。 建設工事は2016年に着工し、2024年に完成した。高地の薄い空気が作業員に与える影響もあり、工事は難航した。 完成した木寨嶺トンネルは、厳しい地形への対処方法について、トンネル工事の専門家たちから広く注目を集めている。
秦嶺天台山トンネル(中国) - 15.56km
秦嶺天台山トンネルの建設には27.5億人民元(約590億円)の費用がかかったが、これは道路トンネルの世界では破格の安さである。2016年に着工し、2021年に完成するなど、工期の面でもまた記録的な早さを見せた。 標高の高さや、中国北西部の陝西省の厳しい寒さを考慮すると、なおさら驚異的である。 2016年11月に建設工事が始まったとき、秦嶺山脈の地下で交代勤務に当たる作業員は2000人に上った。彼らは建設作業の間、現場で生活していた。 秦嶺天台山トンネルの建設の一環として、自然光を再現するスマート照明システムが開発された。3車線のトンネル内を通行するドライバーが飽きないように、トンネルの壁にさまざまな光のパターンやデザインを映し出すものだ。
ゴッタルド道路トンネル(スイス) - 16.84km
かつては世界最長の道路トンネルであったスイスのゴッタルド基底トンネル。その座は他に譲ったが、1980年に開通しており、今回紹介するトンネルの中では最も長い運用期間を誇る。 ゴッタルド道路トンネルの建設は1970年に開始され、最も標高が高い地点で1175mに達する。 制限速度80km/hが厳格に適用されているため、ゴッタルド道路トンネルの通過には約13分かかる。トンネル利用には通行料がかかるが、1日あたり最大2万4000台の車両をさばくことができる。 比較的珍しいことに、ゴッタルド基底トンネルは1本のチューブで双方向の交通を処理している。2016年、国民投票でスイス国民の57%が2本目のゴッタルド道路トンネルの建設に賛成票を投じた。