デザインには面影たっぷり サンクに続き、ルノー往年の名車であるキャトルがEVで復活
パリ・モーターショー2024でお披露目
ルノーが、新型電気自動車=バッテリーEV(BEV)の「4 Eテック・エレクトリック」をパリ・モーターショー2024で発表した。2024年2月に正式発表された5(サンク)に続き、4(キャトル)がBEVで帰ってくる。 【写真99枚】パリ・モーターショー2024で発表された、ルノー5(サンク)に続く、往年の名車をモチーフにした新しいEV、「ルノー4(キャトル)Eテック・エレクトリック」の詳細画像をチェック ◆今風にSUVテイストを盛り込む ボディ形状は、元祖キャトルを思わせるワゴン風のハッチバックで、表面が窪んだボンネットやボディ前端まで回り込むフロント・フェンダー、上部が後方に倒れたCピラーといったデザイン要素にもオリジナルへのオマージュが感じられる。いっぽう、無塗装樹脂のホイールアーチや、181mmとやや大きな最低地上高は、SUV的なテイストを醸し出す。 ◆Bセグメントの標準サイズ プラットフォームは、「5 Eテック・エレクトリック」にも採用される「アンプRスモール」で、ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4140×1800×1570mm、ホイールベースは2620mm。前後のオーバーハングは前766mm、後753mmと短い。小柄なボディで、車両重量はBEVとしては軽めの1410kg~。プレン・シュッド(真南)と名付けられた、開閉式キャンバストップも設定する。 ◆イメージを残しつつ、近代化 直線基調のダッシュボードには、大型ディスプレイを2面設置。センターは10インチ、運転席前は、下位機種が7インチ、上位機種が10.1インチ。ヘッドルームは同じルノーのBセグメント・モデルの「キャプチャー」と同等の853mm、収納スペースの容量は計23.3リッターを確保した。センターコンソールの物入れには3Dプリンターを用いた複雑な形状を複数用意している。 荷室容量は420リッターと、Bセグメント・ハッチバックとしては広めといったところ。ラゲッジスペースはスクエアな形状で、さらに開口部の地上高は610mmと、このクラスの平均的なものより100mmほど低くしたとのこと。前席を倒せば2.2mの長尺物も積載可能で、キャトルの名に恥じない使い勝手のよさを期待させる。 ◆2種類のスペックを用意 パワートレインは既存のものよりコンパクトなレアアース未使用のモーターを採用。小出力版と高出力版の2タイプを用意。アーバンレンジと銘打った小出力版は、122ps/225Nmのモーターに40kWhバッテリーを組み合わせ、航続距離は300km以上。コンフォートレンジと呼ばれる大出力版は、152ps/245Nmと52kWhで、最大400km走行可能。コンフォートレンジの動力性能は、0-100km/h加速が8.5秒、80-120km/h加速が7秒で、最高速度は150km/hだ。 生産は新設されたルノーのEV部門であるアンペアが担当。モーターはクレオン工場、バッテリーパックはリュイッツ工場、車両組み立てはモブージュ工場といったように、すべてフランス国内で製造される。2025年春には、横浜に本社を置くバッテリー・メーカーのAESCと共同で運営するドゥエーのギガファクトリーが稼働開始する予定だ。 文=関耕一郎 (ENGINE WEBオリジナル)
関耕一郎