「理想は90年代のマイクロソフト」…経済評論家・山崎元さんが息子に残した「株式で稼ぐ働き方」
こんな奴と付き合え
(4)起業の初期段階で出資させてもらう もう一つの可能性は、知り合いの起業の早い段階で株式を持たせてもらうことだ。 例えば、友人が面白いビジネスを思いついて起業する。当初の資本金が1000万円である場合に、そのうちの100万円を出資させてもらう。小さな起業の場合、100万円が貴重な場合もあるし、ビジネスに関わるあれこれの相談に乗ったりサポートをする対価として株式の一部を持たせてもらうような関係も十分あり得るだろう。 その後、(2)のように会社の一員として働くのではなく、経営戦略や各種の技術などのアドバイザーとして、あるいは営業や人の紹介などの形で、外部から会社と関わるような関係になってもいい。こうした会社が株式公開に至った場合、もともと出資させてもらっていた株式が大きな価値を持つことが十分あり得る。 こうした機会を持つためには、友人関係や人脈の形成を通じて、チャンスに対するアンテナを張り続ける必要がある。「なるべく頭のいい奴、面白い奴と付き合え」という君へのアドバイスの一つの意味でもある。 この形式の興味深い点は、出資させてもらう自分が必ずしも若くなくてもいいことだ。例えば、人間関係とチャンスがあれば、息子ではなくても、父親の年代の者がベンチャー・ビジネスとこのような関わりを持つことも可能だろう。親世代の読者も参考とされたい。
山崎 元(経済評論家)