「8割削減」「日本モデル」…第1波の「緊急事態宣言」解除までを振り返る
「5月6日→5月末」に延長 解除宣言は25日に前倒し
新規感染者数は4月11日をピークに減少に転じましたが、4月末から5月初めにかけて依然として1日あたり200~300人で推移していました。 5月6日に宣言の期限が迫った1日と4日には、相次いで専門家会議が開かれました。「新規感染者は減少傾向」と分析する一方で、コロナへの対応は「長丁場を覚悟する必要がある」と指摘。人との距離を2メートル程度空ける「ソーシャルディスタンス」や手洗いの徹底、テレワークやオンラインショッピングの推奨など「新しい生活様式」を提案しました。 政府は4日、「緊急事態宣言」を5月31日まで延長することを決定しました。同日の会見で安倍首相は「まだ感染者の減少が十分なレベルとはいえない」と説明し、当初予定していた1か月で緊急事態宣言を終了させられなかったことを「国民の皆さまにおわび申し上げたい」と陳謝。さらに感染者がまだ多い13の特定警戒都道府県の住民には引き続き「極力8割」の接触削減を求めました。 その後の感染状況について、5月14日の専門家会議は、東京都では依然として1週間あたりの新規感染者が200人程度いて、北海道や神奈川県、大阪府、埼玉県では50人以上確認されている一方で、3週間、2週間にわたって感染者が確認されていない県も多数出てきたと評価しました。政府は同日、首都圏の1都3県、関西の2府1県、北海道を除く39県について、緊急事態宣言を解除することを決めました。 さらに政府は21日、大阪府と京都府、兵庫県を解除。25日には、東京都と埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県と北海道も解除し、すべての都道府県で緊急事態宣言が終了しました。延長した5月末までの期間を前倒した格好です。この日の全国での新規感染者の報告数は21人、東京都では8人でした。宣言解除にあたって記者会見した安倍首相は、欧州での「ロックダウン(都市封鎖)」のような強制力のある措置を取らずに感染爆発の危機を免れたことを「日本モデルの力を示した」と誇りました。 「全国で新規感染者は50人を下回り、一時は1万人近くいた入院患者も2000人を切った」 「3月以降、欧米では爆発的な感染拡大が発生した。世界では今なお、日々10万人を超える新規の感染者が確認され、2か月以上にわたり、ロックダウンなど強制措置が講じられている国もある」 「我が国では、緊急事態を宣言しても、罰則を伴う強制的な外出規制などを実施することはできない。それでも日本ならではのやり方で、わずか1か月半で、今回の流行をほぼ収束させることができた。まさに『日本モデル』の力を示した。全ての国民の皆さまのご協力、ここまで根気よく辛抱してくださった皆さまに、心より感謝申し上げる」