【激白】無敗の辰吉ジュニアが初タイトル挑戦を熱望「辰吉家の人間はプライドとして敵に背中は見せない」
辰吉の戦うスーパーバンタム級は世界でも豊富に強豪が揃っている活気あるマーケットの階級だ。WBA世界同級スーパー、IBF世界同級の2団体統一王者が、IBF世界同級暫定王者だった岩佐亮佑(セレス)をホームのウズベキスタンで撃破したムロジョン・アフマダリエフで、WBC世界同級、WBA世界同級正規の2団体統一王者が、先日、あの“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)を強烈なボディブローで悶絶KOしたブランドン・フィゲロア(米)である。また日本でも度々防衛戦を行い、馴染みのある元2団体統一王者のダニエル・ローマン(米)も返り咲きを狙っている。 辰吉は、WBAのトップコンテンダーで暫定王者でもあるライース・アリーム(米)を「とんでもなく強い」と注目しているが、「ネリが負けたのは残念だけど、父が持っていた緑のベルトが好きなんで。WBC。いいっすね」と笑う。 そしてWBA世界バンタム級スーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)がバンタム級の4団体統一を終えた来年にもスーパーバンタム級に転級してくるのである。 また国内に目を向けても逸材が揃っている。兄の亀田興毅が立ち上げた「3150ファイトクラブ」に移籍して再起戦を飾った元2階級制覇王者の亀田和毅、OPBF東洋太平洋王者の勅使河原弘晶(三迫)、前世界王者の岩佐、そして、K-1王者から転向した武居由樹(大橋)も、この階級。来春には、キック界で敵がいなくなり、RIZINでは、茶番の1対3マッチをしなければならなくなった、あの那須川天心も、この階級でボクシングに転向してくる。いくらでも好カードが組める黄金のクラスなのだ。 辰吉は、「ええですね。運がいい」とは言うが、「もし誰々と戦ったら?」という仮定の質問については、多くを語らなかった。 「試合も決まっていない相手に対して、どうのこうのと言うのが嫌いなんです。相手に失礼ですしね」 父の代名詞だったビッグマウスを封印している理由もそこにある。 「親の七光だけでガーガー言ってもダサいやないですか。だからデビュー戦からずっとこういうインタビューでも普通のことしか喋らないようにしてきました。実力でチャンピオンになるまで語らないです。我慢しています(笑)。そりゃ親子なんで、口なら親よりすごいっすよ」 有言実行が辰吉家の掟。ジュニアが覚醒する日は近い。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)