【激白】無敗の辰吉ジュニアが初タイトル挑戦を熱望「辰吉家の人間はプライドとして敵に背中は見せない」
これまでは介護の仕事をしていた。朝から夕方までのフルタイムワーク。試合前になると休暇をもらっていたが、練習に支障があった。だが、今春から省エネ事業と防犯のコンサルティングを行っている株式会社インテックのバックアップを受けている。もちろん仕事もする“就職”で、辰吉は、フィットネス事業部でパーソナルトレーナーを担当しているが、同社の松島慎治社長の理解と配慮で、練習時間を大幅に確保できるようになった。 「練習に集中できる環境を作ってもらったのはありがたい」 13勝9KOの数字が示すようにパンチ力には非凡なものがある。 「小さい時から人とは違った」と感じていた天性の武器。課題は、父と同じくディフェンスとコンビネーションを含めたゼネラルシップである。 「ボクシングはタイミングと距離です」 信頼しているフィリピン人トレーナーとのコンビで「ディフェンス7、攻撃3」の割合で「毎日課題を持って」ジムワークに取り組んでいる。 あくまでも日本タイトルは通過点にすぎない 「僕は最終地点しかみてない。目標は世界チャンピオン。小さい頃からそれを目指してやっていますから。過程は気にしない」 ――偉大なる父を超えたい? 「父ちゃんはオヤジとしてどうかな?と思うことは時々あるんですけど(笑)…尊敬しています。でも、オヤジを超えたいと思ってボクシングをやっていない。そういうものは後から結果を出したときについてくるもの」 ――辰吉の名は重圧になっていないのか? 「まったくないです。得しかないです。おかげで注目されてデビュー戦からアマ経験もないのにも注目された。父ちゃんに感謝ですよね。期待されても、僕に何かあるわけでもない。逆にハンデがあるわけでもない。期待されて期待通りじゃないと批判されるかもしれないけれど害はないですよ。脳天気なんでしょうね。でも名前だけで世界チャンピオンにはなれないです」 ――父からのアドバイスは? 「ないです(笑)。試合前には、必ずじいちゃん(祖父で辰吉の父・粂二氏)の仏壇に手を合わせにいくんです。そんとき『ぶっ殺せ』『ぶっ倒せ』と言われるだけ。でも減量はオヤジに教えてもらった昭和スタイルです(笑)」 ――試合後は、控室で必ず小言を言われている(笑)。 「あれうるさいです(笑)。親としての意見でしょう。試合が終わってばかりで黙っておいて欲しいんですけどね。でも、僕の場合は、オヤジへの反抗期ってひとつもなかったんですよ。反発したらしばかれるんで(笑)。中学になっても殴られましたもん。思春期がない人生」 ――その父は今なお現役?どう思っている? 「最近、会っていないんであまり聞かないんですが、たぶん練習をしていると思います(笑)。現役続行のこと?どうも思っていませんよ。『がんばれよ』と(笑)。『もう引退しろよ』という気持ちはないんです。死ぬまでやったらええですよ。急に『辞めます』の方がダサい。目的があって、それを達成するか、どうか。達成できないなら死ぬまで追いかけた方がいい。辰吉家は、そういう生き方なんです」