青木活躍効果でメジャーの糸井株が急浮上!
ポストシーズン怒濤の8連勝で1985年以来29年ぶりのア・リーグのチャンピオンに輝き、ワールドシリーズ進出を決めたカンサスシティ・ロイヤルズ。今年、ブルワーズからトレードで移籍した青木宣親外野手の活躍が改めて評価される中、今オフ、ポスティングシステム(入札制度)を利用したメジャー移籍について、近日中に球団との会談を持つことになったオリックスの糸井嘉男外野手(33)の米国での注目度が一気に上昇しそうだ。なぜなら、米国では、まだ未知数の糸井に対して、かねてより「青木クラスか、またはそれ以上」という評価が下されているからだ。
実は、糸井は、昨年オフにも、ヤンキースに移籍した田中将大投手と共にポスティングされる可能性があり、当時の複数の米国メディアに「日本最高の外野手」として紹介記事が掲載された過去がある。去年ポスティングされていれば、メッツが獲得に動く可能性もあるという一部報道もあった。 米国スポーツネットのCBSスポーツの電子版には、13年のWBCを視察したあるスカウトの談話として「オールラウンドプレーヤー。足もあるし、肩も強い。外野ならどこでも守れる。青木クラスか、またはそれ以上だ」と、当時ブルワーズで活躍していた青木宣親外野手と比較して糸井の能力を高く評価する記事が出た。比較対象となった2人には共通項が多い。青木が32歳、糸井が33歳と年齢的にもほぼ同世代で、外野なら3ポジションどこでも守れて、打率が計算できるという打撃スタイル。 NPBでの在籍8年間で、青木が1284安打、打率.329、164盗塁、84本塁打に比べて、糸井は同じくNPB在籍8年で961安打、打率.306、181盗塁、91本塁打と、遜色ない実績を積んできた。メジャーでは、「本塁打なら年間10本から15本、盗塁なら20から30」といったメドとされる数字も似ている。 青木は、当時獲得に手を挙げたブルワーズが日本にスカウトを持っていなかったので、アリゾナのキャンプ地でワークアウトを受けて、首脳陣の目を納得させてから2年300万ドル(約3億円)プラス、3年目は球団オプションの195万ドル(約1億9500万円)という契約を勝ち取って海を渡った。渡米後の活躍は周知の通り。ブルワーズで1年目が打率.288、150安打30盗塁10本塁打、2年目は打率.286、171安打20盗塁8本塁打とレギュラーを張って結果を出し、乞われる形でロイヤルズに移籍。今年は、故障にも泣かされ、夏場に下位打線を打ったこともあったが、シーズン佳境の9月以降で存在感を発揮。チームをリーグ優勝に導いて改めて真価を示した。