青木活躍効果でメジャーの糸井株が急浮上!
糸井の能力が、「青木クラス、またはそれ以上」ということになれば、米国市場もその動向から目が離せなくなってくる。昨今、天然芝で守備に問題を露呈する日本人内野手は、米国での評判が堕ちて市場価格も下降気味と言われているが、ベテランのイチローや青木の奮闘で外野手の評価はまだ保持されている。ワールドシリーズ進出と注目を浴びる“青木効果”で、糸井のメジャーでの市場バリューもアップするという流れだ。 実はこれに似たことがあった。2007年。入札額と総年俸を併せて“元祖1億ドルの男”と呼ばれてレッドソックスに移籍した松坂大輔投手の陰で、2年総額250万ドル(約2億5000万円)というお手頃価格で獲得した中継ぎ左腕の岡島秀樹投手が大活躍した。当初、球団側は日本語が通じる松坂の話し相手として獲得したという報道も出る程度の期待度だった左腕が、陰のMVPと噂されるほどの貢献でチームは念願の世界一を達成。これで、日本のブルペン投手の評価が米国内で上昇した。この恩恵を預かったのが、翌年08年のメジャー移籍組。小林雅英投手が、インディアンスと2年総額625万ドル(約6億2500万円)、薮田安彦投手がロイヤルズと2年総額600万ドル(約6億円)、福盛和男投手がレンジャースと2年総額300万ドル(約3億円)という好契約を結んだ。岡島のお陰で、ちょっとした“日本人中継ぎバブル”現象が起きたのだ。 オリックスがチームの看板選手をポスティングするかどうかは不透明だが、現在の糸井には青木という最高の追い風が吹いているのは事実だ。市場評価が、直接ポスティングの入札額にハネ返ってくるだけに、今が売り時、という見方もできなくははい。また、エルズベリー、秋信守、ベルトランら大物の名前が並んだ昨年と違って今年のFAの外野手市場は、メルキー・カブレラを筆頭に小粒になるといわれている。それだけに、メジャーが、日本やキューバなどの海外市場に触手を伸ばす可能性は高まっている。年俸では青木以上の好条件が見込めることはほぼ間違いないだろう。糸井は、今秋の日米野球に侍ジャパンのメンバーとして出場予定。その場が、糸井を値踏みするメジャースカウトたちの最終判断場所となるだろう。