がんを再発した夫と、過労で倒れた妻。家族に幸せを運んだのは…。猫アレルギーの夫が言った「猫を飼いたい」から始まって
◆新しい環境に慣れないミア 生後12週間で体重が1キロもない小さなミアは、ストックホルムのアパートに帰る車の中でずっとニャーニャー鳴いていました。 家に着くとソファの下にもぐりこみ、一晩中出てきません。そして翌日も出てきませんでした。何も食べず、何も飲まずに。 床に腹ばいになって携帯電話のライトで照らすと、奥で震えているのが見えました。ソファの下にエサのお皿を入れたりもしましたが、食べてくれません。 私は息子たちが幼い頃高熱を出した時のような気分でした。お願い、どうかうまくいって! エヴァからは「あと数時間以内に水を飲まなかったら、獣医に連れて行って水分補給して」と言われました。 もうこれ以上の病院通いはしたくないのに……。うちに慣れる前にミアは死んでしまうの? その日、夕方近くになって、ミアはやっとエサを食べ始めました。家族全員が集まり、ささやき合いました。 「よかった、食べてる……」 これでやっと一安心。ミアも同じだったのでしょう。 数日後には当たり前のように家族の一員になっていました。そして全員が感謝の気持ちでいっぱいでした。 ミアがこれほど幸せを運んできてくれるなんて――。 ※本稿は、『にゃんこパワー:科学が教えてくれる猫の癒しの秘密』(新潮社)の一部を再編集したものです。
カリーナ・ヌンシュテッド,ウルリカ・ノールベリ,久山葉子
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