がんを再発した夫と、過労で倒れた妻。家族に幸せを運んだのは…。猫アレルギーの夫が言った「猫を飼いたい」から始まって
◆また猫への扉が開いた時 2018年の夏、アンデシュの癌が発覚し、私たちの日常は完全に中断されました。次の化学療法、次の告知、次の手術、次の通院、救急車の呼び出し――そういったことにエネルギーをすべて費やす日々。 それでも私たちは素晴らしいチームでした。愛があれば何でも解決できる――そう思ってがんばったのですが、コロナ禍が始まった春に3度目の再発がわかり、これ以上悪いことは起きようがないという気分でした。アンデシュは田舎の別荘で隔離生活を始めました。 5月になった頃、夫が予想外のことを言い出しました。 「猫を飼いたいと言ったらどう思う?」 私は夫の意図がまったく理解できませんでした。 「かなりアレルギーが起きにくい猫の品種があるって読んだんだ。サイベリアンだよ」 「本気? 検索してみたの?」 「うん、他にすることもないし。猫がいたら楽しいかと思って」 「本当にそう思ってる? 冗談を言っている場合じゃないのよ。アレルギーが出たらどうするの」 「試してみようよ」 それで私もむさぼるようにサイベリアンについて調べてみると、ずっと憧れていたノルウェージャンフォレストキャットに似ているし、毛もふさふさだし、犬みたいな性格ですって? うちにぴったりじゃないの。 なぜ今まで知らなかったの――。
◆我が家に愛を振りまいてくれたミア ふさふさの黒い毛皮のサイベリアン、ミアがわが家にやってきたのは、私たちがまさに彼女を必要としていた時期でした。それ以来、家中に愛を振りまいてくれています。 7月のある暑い日、家族全員で車に乗りこみ、ブリーダーのエヴァの家へ向かいました。到着すると夫アンデシュはすぐにベッドルームの床に座りこみ、子猫たち――ミアやそのきょうだいと全力で遊び始めました。わざと目をこすったりもしましたが、アレルギーは出ませんでした。 合意書にサインする約束をして帰りましたが、翌日エヴァから懸念した声で電話がありました。 「後になってアンデシュがアレルギーを発症したらどうするの?」 飼い主を変えるのは子猫にとって辛い経験です。それでも私たちは必死でエヴァを説得しました。 「大丈夫、アレルギーは全然出なかった。世界中の何よりもミアがほしい!」 突然命をかけても叶えたいと思えたのです。
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