なぜ新型コロナ感染拡大の大阪と札幌でサッカーの日本代表戦が実施されるのか?
タジキスタン戦とキルギス戦に関しては、昨年末の段階で6月7日と15日にパナソニックスタジアム吹田で開催されるスケジュールがすでに発表されていた。 加えて、今年6月の国際Aマッチデーは通常の2試合から4試合が組める形に変更されていて、同じく昨年末に対戦相手未定の状態で3日に札幌ドーム、11日にはノエビアスタジアム神戸と国際親善試合の会場だけが決まっていた。7月と8月はフル代表の活動が組めないため、強敵がそろうアジア最終予選をにらんだ貴重な強化の場となる。 日本は札幌でのジャマイカ戦を終えれば、関西圏で3試合に臨む。日本の日程に合わせ、移動で生じる各国のリスクも軽減させる意味で、日本以外の2次予選の会場もヤンマースタジアム長居に決まったのだろう。 13日のJFA理事会終了後にオンラインでメディアに対応した須原清貴専務理事は「試合会場については、私たちもいろいろと考えました」とこう続けた。 「各自治体の方々とも相談させていただき、その上での今回の方針発表となりました。現時点で中止や延期の可能性は想定していませんが、何がなんでもやりきる、という前提でもありません。その時々の状況を考慮した上で、常に自治体や政府と考え方を一致させながら、タイムリーかつ柔軟に動いていきたいと考えています」 JFAは3月から4月にかけて、フル代表で韓国代表との国際親善試合とモンゴル戦、東京五輪を控えるU-24代表でU-24アルゼンチン代表との国際親善試合2戦、なでしこジャパンでパラグアイ、パナマ両女子代表との国際親善試合を実施した。 いずれも日本および対戦国の選手やスタッフ、関係者に対して毎日検査を実施し、移動時は公共交通機関ではなくチャーター便などを使用。宿泊ホテルや試合会場でもゾーニングを徹底するなど、日本滞在中は外部との接触をいっさい断つ「バブル」と呼ばれる厳格な防疫措置を今回も講じることを条件に、政府や各自治体と調整を続けてきた。