濃厚接触者「追えなくなってはいない」 名古屋・河村市長が定例会見
濃厚接触者「追えなくなってはいない」 名古屋・河村市長が定例会見
名古屋市の河村たかし市長は31日、市役所で定例記者会見に臨んだ。オミクロン株の急速な感染拡大に伴い、濃厚接触者の把握が難しくなっている状況について「保健センターの職員が直接、電話を掛けて確かめるのが困難になっている」と認めた上で、「感染した方から(濃厚接触者に)電話してくださいということはやっている。(濃厚接触者が)追えなくなっているわけではない」と強調した。 名古屋市・河村市長が定例会見(2022年1月31日)
健康観察対象者は「推計値」で2万人超に
市内の新規感染者数は30日までの1週間で初めて1万人を超え、1万4753人に。入院患者は437人、そのうち中等症121人、重症が4人と、いずれも1週間前に比べて倍以上になっている。 濃厚接触者らを把握する「健康観察対象者」も倍増の2万1150人。これは今月22日から、健康観察の期間を従来の14日間を10日間に短縮した上で、過去のデータを基に新規感染者数から推計した数値となっている。 「感染症対策の一丁目一番地」などとしてこだわってきた健康観察(積極的疫学調査)が実質的に縮小していることに対して、河村市長は「もっと徹底できればいいですけど、現実的には柔軟にやらざるを得ない。(保健所職員の手が足りず)物理的にしょうがない」などと弁明した。 市の担当者によれば、高齢者施設や障害者施設の健康観察は保健センターが直接聞き取る形で続けているが、一般市民に対しては陽性者自らが濃厚接触者に当たる人に連絡をするよう呼び掛けている。連絡を受けた人は「自主的に健康観察・外出自粛」をし、症状があれば医療機関を受診する。
給食出せない小学校8校で弁当無償提供へ
保育や教育への影響も続いている。保育施設は全体の2割に当たる153カ所が臨時休園中で、園児ら1万5000人超に影響。小中学校も4校が臨時休校、学級閉鎖は1068クラスに上り、4000人ほどの児童・生徒が登校できない状況だという。 河村市長は「すごい数だもんで、これ。去年もコロナで学校に出てこれんようになって子どもの自死や不幸が増えた。学校が福祉機能を持たざるを得ないんではないかということが中教審でも初めて議論された。学校は単に勉強を教えるところじゃなく、命を守らないかん」として、現状で登校できない子どもやその保護者への対応を教育委員会が取りまとめ、会見で市民に説明するよう指示しているという。 また、コロナの影響で給食センターが稼働できず、給食が出せなくなっている小学校8校では、2月1日から弁当の無償提供を始める。 (関口威人/nameken)