平野レミ「〈ここには和田さんが半分入ってる〉樹里ちゃんに言われ、力強く握ってくれた息子の手が嬉しくて。そして料理が気持ちを前向きにしてくれた」
私はいつもサインを頼まれると、色紙に「キッチンから幸せ発信!」って書いています。まさにキッチンこそ幸せを生み出す場所。料理って本当にすばらしいわよね。 私の料理作りのモットーは、「時間をかけない」「お金をかけない」「もったいないことをしない」の3つ。大根の皮のフェットチーネやフライパンひとつで作る吸いとりパスタ、包まない餃子などのアイデアはここから生まれました。 この3つに加えて近頃力を入れているのが、「誰も見たことがない」。鯛を串で縦に立たせて口にお花を突っ込んだ「おったて鯛」は、見ても楽しい、食べてもおいしい。結婚式やお正月のおめでたい席に、ホントにおすすめなの。 周りが何と言おうと、私はぜーんぜん気にならない。人に迷惑をかけるわけじゃないし、料理は自由で何をやってもいいのよ。好きなことを楽しんでいる人は、きっと周りの人も楽しくすると思う。 和田さんとは、毎朝おいしいお茶を淹れて乾杯しています。「お父さん、お茶ですよ」と写真の口元にお茶を持っていくと、和田さんの顔が喜ぶの。今の季節は、お日さまが葉っぱの緑を照らすととってもきれい。 一緒に眺めていると、鳥のさえずりも聞こえてきて、もうそれだけで「ああ、今日も幸せ」と思えます。幸せってどこにでも転がっていて、それを感じとれるかどうかなんじゃないかしら。 <平野さん流 幸せの極意> 気持ちを上向きにしてくれる人とグッと距離を詰める (構成=平林理恵、撮影=浅井佳代子)
平野レミ
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