82歳料理家・村上祥子 人生100年時代「粗食が理想」は過去のモノで…シニアにオススメ<レンジで短時間・肉じゃが>レシピ紹介
◆たんぱく質、摂ってますか? 日本は野菜を中心とした粗食を理想とする時代がありました。 今はずいぶん変わっています。 人生100年時代になると、いつまでも元気に動ける筋肉を維持する必要が出てきます。 フレイルやロコモなどは、運動不足が原因ですが、食事も大きく影響します。 特に粗食ではたんぱく質の割合が少ないことが心配です。 たんぱく質は、筋肉や骨、皮膚、内臓、血液、爪、髪だけでなく、ホルモンや酵素、免疫細胞など、人間の体を作る元になる栄養素です。 たんぱく質摂取について衝撃的なエビデンスが発表されました。 佐々木敏先生(東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野教授、医師、医学博士)が指導なさった女性3世代研究です。 全国の栄養士養成学校の新一年生で、母、祖母が健在の人・7000人(つまり三世代で2万1000人)を対象に行った調査です。 たんぱく質の摂取量と虚弱の関連を調べてみると、たんぱく質の摂取量が1日あたり70gを切ると虚弱になるリスクが高いことがわかったのです。 この調査データが発表された2011年までは、体重1kgあたりのたんぱく質摂取量は1gとされてきました。 これでは足りないのではないか?と医師の世界で言われていました。 しかし、根拠となるデータがなかったのです。 そこで、体重1kgあたり1・5~1・6gが1日に摂りたいたんぱく質の量となりました。 一食では、肉や魚などのたんぱく質食材を130g摂ることになります。 私たちは、体重、身長、年齢により、消化したたんぱく質を吸収できる量が決まっています。 一度に大量に食べても意味がないのです。 1食あたり130gを目安にコツコツ食べることが必要です。
◆シニアのための実習教室 私は、「シニアの食べ力」を応援できたらと思い、10年前にスタジオを改装し、「シニアのための実習教室」を始めました。 調理器具は電子レンジ。 20人の方が1台ずつ使えるようにスタジオを改装。 東京・西麻布のスタジオ閉鎖で、使っていた電子レンジを福岡スタジオに送りました。 シニアのための実習教室は、40代~70代の方を対象に、午前・午後2部制でスタートしました。 1クラス20名です。 食材を洗う、食べ終えた食器を洗うなど、普段やっていることは、私とスタッフ6名が引き受けます。 生徒さんはレンチンするだけ。 出来上がった料理は食べてもOK。 持ち帰りもOKです。 教室終了後、必須ではありませんが生徒さんにはアンケートも書いてもらいます。 皆さん、自身の食についての質問も書かれています。 赤ペンで答えを記入し、その画像をスマホに送ります。 できない方にはコピーをとって郵送します。