コロナ分科会の尾身会長が会見(全文3)みんなが納得できるぎりぎりの線
未達成ならどういう事態が想定されるのか
NHK:NHKの水野です。人流5割について、まず伺いますけれども。これ、5割という目標は、今回、提言の中で東京を例に取って示されましたけれども、この人流5割を達成しなければならない地域っていうのはどういうふうに考えればいいのかということ、そして今回、先生方は呼び掛けられるだけではやはり意味がなくて、これを実行レベルで政府ですとか自治体に落とし込んでもらわなくちゃいけないと思うんですけれども、実行性を担保する政策ということについて、先生は政府や行政とどういうお話をされているのかということを伺います。そして3点目に、かねて最悪のシナリオというのを想定しなければならないというふうにおっしゃっている中で、この5割っていうのが2週間で達成できなかったとき、どういう事態というのが想定されるのか。そしてそうなった場合には、どういう対策が求められるのかということについて伺います。 尾身:最初の質問は、このあれが東京だけなのか。これはなかなか厳密には。だけど私は、これは東京をイメージしているので、今、東京と、関東の近隣ですよね。同じような今、状況になりつつありますよね。こういう考え方で近隣もやっていただければと思います。大阪なんかが少し今回は、大阪の場合は、これ東京と大阪が常に、行ったり、交差するようなところがあって。大阪はこの前、大変な思いをしましたよね。医療の確保というのもかなり、この前の危機的な状況があったんで、増やしたというところで、今、大阪のほうが少し、東京に比べると、深刻なんですけど、ですよね。
ある程度一体感を持ってやらないと
だからこれはかなり緊迫した、これは各自治体が分かりますよね。こういう医療の本当に逼迫した、今、緊急事態、これは特に緊急事態宣言を出したところに当てはまる、その中でどこ中心かといえば関東、そういう考え方で。ほかの緊急事態宣言を出しているところで、東京でないところも、こういう考え方で、もう全国に今、感染が広がっていますから、もうここは全国的な緊急災害みたいな意気、心構えでやるという、1つの考え方の基本を示したというのが今回。これをどう知事たちがうまく、あるいは採用するかしないかというのは決めていただければと思います。 それから実行性という話ですけども、今、私はこのことが、前から申し上げてますように、言葉と、それからアクションっていうのが重要だというのは、この前の菅総理とのときに申し上げたですかね。今、今日はこっちのアクションのほうを書きましたよね、主にね。やはりこのアクションというものを、さっきの人混みについてなるべく5割に抑えてやりましょうというのは、これはある県だけやってもしょうがないですよね。みんな、もう感染が、1つの生活圏の中で行ったりしているし、あと県を超えての移動というものもあるし、ここはある程度、一体感を持ってやらないと、実際に実行性がないし、あとメッセージのほうですね。言葉のほうも、これがやっぱり、日本の国の政府と関東の知事たちが、言葉は、まったく同じ言葉を使う必要はないと思いますけど、同じ方向性、つまり人流、接触をともかく減らそうという大きなところでまとまらないと、なかなか難しいですよね。 このことについては、われわれは提案することで、最終的に実行というのは国や自治体のもう役割ですけど、しかしそうはいっても、この提案をわれわれ、ずっと頭で、なんと言いますか、温めてきて、このもう2~3週間、ずっとこれを考えてきたわけですけども、このことはもう政府には適宜伝えてあって、こういう考えで国と自治体が一体感を持って、方向性という意味ですよ、一言一句という意味じゃなくて。方向性という意味では、ぜひやってくれないと、また一般市民は違いのほうに関心がいってしまって、ここの知事とあっちの知事、あるいは国と、ということは、これは誰のためにも良くないですよね。今そういうことをやっている余裕がないので、そのことはお願いしますというのは、これはかなり頻繁に私としては申し上げてきました。そうなっていくことを期待します。 【書き起こし】コロナ分科会の尾身会長が会見 全文4に続く