【特集】自らの限界超え、再び頂点へ それぞれの想い懸けた実力派決戦 日本学生陸上競技個人選手権
■「一緒にいっぱい表彰台にのりたかった」 女子400m決勝 先輩の背中追いかけ、掴んだ栄光
女子400m決勝でも、選手たちの活躍が光りました。注目は、関西チャンピオンの園田学園女子大学4年生の安達茉鈴選手。ことし、最終学年を迎えた安達選手には、今大会に並々ならぬ思いがありました。 (安達)「個人で優勝っていうのが、今まで1回もないので…。学生生活の中で個人優勝というのを1つ目標にしています」 そんな中、迎えた女子400m決勝。レース序盤から好スタートを見せた安達選手は、中盤でも快走を見せ、最終コーナーではレーストップに。しかし、ここで一着争いに喰い込んできたのが、安達選手の後輩・中尾柚希選手でした。偉大な先輩・安達選手の背中を追いかけて、頑張ってきたという中尾選手がゴール前で力を振り絞り、先頭を走っていた安達選手をかわす形で優勝。 (中尾)「去年、安達先輩と一緒に表彰台に個人で乗れなくて…。ことしは(安達)茉鈴さんが卒業しちゃうので、一緒に表彰台にいっぱいのりたいと思って、必死に追いかけました」 (安達)「やっぱり悔しいっていうので1番大きくて…。いつも、こういう時に負けてしまうというのが、自分のまだまだ弱いところだなって思います。」 レース直後のインタビューでは、時折、涙を滲ませながら悔しさを語った安達選手。悔しさを糧に、もっと強くなりたいと話します。 (安達)「(中尾選手と)ワンツーをとりたいっていうのは、自分でも思っていたので素直にすごく嬉しいんですけど…。同じチームの中尾に負けるっていうのは、すごく悔しいですね。でも、身近にライバル関係の選手がいるというのは、環境としてはすごくいいと思っているので、まだまだ(自分も)強くなっていけるかなと思います」 全国タイトルのチャンスは、9月におこなわれる日本インカレを残すのみとなった安達選手。実力派・安達選手の有終の美に、大きな期待が寄せられます。
■ぞくぞくの大会新記録更新 今後も関西勢の躍動に大きな期待
今大会では、他にも大勢の学生アスリートたちが活躍を見せました。 女子5000mでは、立命館大学2年生の太田咲雪選手が快走。自己ベストを大幅に更新し、15分47秒1という好記録で2位に入賞しました。 男子200mでは、関西学生記録保持者である関西大学4年生・松井健斗選手が出場。わずか100分の3秒差でタイトルを逃しましたが、2位入賞の好成績を残しました。 また、女子三段跳には学生記録保持者の実力派・船田茜理選手が出場。実力派らしい安定の伸びを見せ、見事、大会新記録を更新。昨年に続き、連覇を達成しました。 男子棒高跳では、関西インカレで自己ベストを更新した東大阪大学3年生の原口篤志選手が躍動。5m45の好成績で、見事2位に喰い込みました。一方、女子棒高跳でも、関西インカレ2連覇の園田学園女子大学4年生・大坂谷明里選手が、4m10を成功させ、堂々の優勝。1年生以来の全国タイトルを掴みました。 学生アスリートたちの躍動と、それぞれが胸に誓うストーリーが光った、ことしの日本学生陸上競技個人選手権。これからも、自らの限界を超えようと誓う学生たちの勇姿に、ますますの期待が寄せられます。 (「あすリートPlus(読売テレビ)」6月30日放送)