もしあなたが《余命宣告》を受けたらどう行動するのが正解か…? 美しい最期を実践するための「10の心得」
人生を真の意味で肯定するためには
人生の最期をどう過ごすか。その答えは千差万別。直樹さんにとっては、酒であり、夫婦の時間を取り戻すことだった。 「自身が心から望む『ありのまま』を実現することが一番幸せなことなんです。『今日が人生最後の日』だと想像したときに浮かんでくるのが、自分にとって一番大切なもの。それを大切にすることが、死を目前に控えたときに心を支えてくれると思います」(小澤氏) 若いころは他者との比較で自分の価値を測ってきたかもしれない。しかし、最期の日々を過ごすなかでなによりも重要なのは、自分の果たしてきた役割に気付いて「これで良かったんだ」と自分の人生を肯定することだ。 「『他人より豊かな暮らしをしたい』と必死で努力した人が、先が短いとわかった途端、『自分の人生はなんだったのか』と悩み始めるケースを何度も見てきました。 ただ、人が人生の本当の価値に気付くのは、そういう葛藤を覚えた瞬間なんです。たとえば、仕事で出世できなかった人は『大きな仕事はできなかったけど、みんなが嫌がる小さな仕事を自分なりに頑張ってきた』と思うようになったり、『少なくとも父として家族を守ることはできた』と振り返るようになったり……。生きていくうえで他人との比較は避けられません。ただ、それ以外にも大切なことがあると気付くことで、自分の人生を真の意味で肯定できるようになるのです」(小澤氏) 心持ち次第で最期の日々を、健康だったころのように輝かせることだってできるのだ。 『「究極の孤独」と言われる《死》と立ち向かうにはどうすれば…良い意味で「あきらめる」方法』へ続く 『週刊現代別冊 おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』が好評発売中! 累計188万部の大人気シリーズが、大幅リニューアルでさらにわかりやすくなりました! 週刊現代の大反響記事を、加筆のうえ、ギュッとまとめた一冊です。
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