子どもが就職したので、妻が「月収12万円」のパートを始めました。少しでも老後のためになればとのことですが、老後の「年金額」はどのくらいになるでしょうか? 私は会社員で年収「490万円」ほどです
老後の生活には、医療費や介護費用などいろいろな出費が発生しやすいものです。子育てが終わって将来の生活のためにと配偶者がパート勤務を始めた場合、夫婦お互いの将来年金額はいくらになるのでしょうか? 本記事でシミュレーションしますので、ぜひ参考にしてみてください。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
老後に必要なお金は、年金だけで足りる?
内閣府「国民生活に関する世論調査(令和5年11月調査)」によると、「日頃の生活の中で、悩みや不安を感じている」人は全年齢平均で75.9%でした。このうち老後の生活設計については63.6%、今後の収入や資産の見通しについては59.8%と高い割合でした(調査は複数回答)。 男女の平均寿命が延びている現在、65歳からもらえる老齢年金で生活費は足りるのでしょうか。 厚生労働省「家計調査年報(令和4年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、年金などの収入から健康保険料や税金などを納めた後の所得(可処分所得)は月額21万4426円に対して、生活に必要な食費など(消費支出)は月額23万6696円で、約2万円の赤字となっています。 この調査結果から、将来の年金額をなるべく増やしておくのが良いといえるでしょう。
夫婦それぞれ、将来の年金額はいくら増えそう?
夫婦それぞれの年収と働き方によって、将来の年金額はいくらになるでしょうか。ひとつの例として、夫婦お互いが65歳まで働くケースと、65歳で年金を受け取らず繰り下げて70歳まで働くと年金額がいくら増加するか試算します。 <試算> (1)55歳夫の年収492万円(月41万円)、55歳妻の年収151万2000円(月12万6000円)で、それぞれ65歳まで働いた場合の厚生年金増加見込み額(報酬比例部分)と年金受給見込み額 ・夫の標準報酬月額41万円×(5.481÷1000)×120月=年額約26万9665円 ・老齢基礎年金(満額)年81万6000円+厚生年金年額約26万9665円=年額約108万5665円 ・妻の標準報酬月額12万6000円×(5.481÷1000)×120月=年額約8万2872円 ・老齢基礎年金(満額)年81万6000円+厚生年金年額約8万2872円=年額約89万8872円 (2)65歳で老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取らずに繰り下げて、それぞれ70歳まで働いた場合の厚生年金増加見込み額(報酬比例部分)と年金受給見込み額 ・夫の標準報酬月額41万円×(5.481÷1000)掛ける180月=年額約40万4497円 ・(老齢基礎年金満額年81万6000円+厚生年金年額約40万4497円)×繰下げ支給率142%=年金受給見込み額約173万3105円 ・妻の標準報酬月額12万6000円×(5.481÷1000)×180月=年額約12万4309円 ・(老齢基礎年金満額年81万6000円+厚生年金年額約12万4309円)×繰下げ支給率142%=年金受給見込み額約133万5238円 夫婦それぞれ働き、そして年金受給時期を繰り下げると、将来に受け取れる年金額が大きく増える見込みとなりました。