子どもの主体性はどのように引き出す?3つのポイントを専門家が解説 体験談も
学齢別 主体性を育てる関わり方
ここではお子さまの学齢別に、保護者のかたや周囲のどのような関わり方が主体性を育むのか、幼児期~小学校低学年までのお子さまと、小学校中学年以降~高校生のお子さまの2つの学齢に大きく分けて紹介します。 【幼児~低学年の場合】 幼児期や小学校低学年ぐらいまでのお子さまは、遊びの中で主体性を育みます。 遊びはこの時期のお子さまにとって、主体性の発揮に欠かせない自己決定を経験する重要な場なのです。 大人が決めたルールの中で「さあみんなで一緒にやりましょう」ではなく、どんなルールで遊ぶのかはできるだけ子どもたちに任せて保護者のかたは見守りましょう。 お友達と自由に遊ぶ中で、「こうしようよ」「ああしたほうがいい」など自発的に話し合いが起き、自分たちで遊び方やルールを決めていきます。 遊ぶ中でちょっとした失敗も起きるでしょう。 しかし、そのトラブルを自分たちで解決しながら仲間と楽しく遊ぶことで、お子さまの主体性は育っていきます。 また、興味を持ったことに取り組める環境を整えてあげることが大切です。 お子さまがどんなことやどんな遊びに興味があるのか観察し、それをとことんやらせてあげることで、お子さまが主体性を育んでいくことでしょう。 逆に本人がつらいこと、楽しくないことをさせても主体性は育たないので、お子さま自身の興味や様子を見ながら、無理をさせないようにしましょう。
【小学校中学年~高校生の場合】 小学校中学年以上になっても、お子さまに自己決定を経験するチャンスを与え、保護者のかたは見守る関わり方をするのが基本です。 ただ、中学年以上になると、遊びという枠組みではなくて、スポーツやクラブ・部活動、行事などの課外活動や、勉強など、自己決定を行う場面が多くなります。 保護者や指導者の支えは必要ですが、ある程度子ども自身の裁量で決めてやってみて、「うまくいった」「失敗した」「じゃあ次どうしようか」と取り組みを振り返りながら考えられる環境を用意してあげられるといいですね。 中高生の場合、志望校や将来の職業などについて、さまざまな情報や人の意見を踏まえたうえで検討していく過程も、自己決定の経験を積むよいチャンスです。 保護者のかたは、お子さまだけでは不足しがちな情報を一緒に集め、それを通じて視野を広げられるようなアドバイスをすることが重要かと思います。 情報がなければ、お子さまは「なんとなくよさそうだから」など、あまり考えずに決めてしまう可能性があるからです。 また、お子さまと同世代の分かり合える仲間と対話しながら自分で決めることも、主体性を育むうえでとても重要だと思います。