なぜ日ハムは新庄剛志氏を監督に抜擢したのか…課せられた2つのミッションとは?
北海道日ハムファイターズ新監督の新庄剛志氏(49)の就任会見が4日、札幌市内のホテルで100人以上のメディアを集めて行われた。のっけから新庄節が炸裂して日ハムファンだけでなくプロ野球ファンが盛り上がっているが、なぜ日ハムがコーチ経験もなく、15年間も現場から離れていた新庄氏を監督に抜擢したかの理由が判明。川村浩二代表取締役社長兼オーナー代行は「勝利とファンサービス」の2つのミッションを課したことを明かし、「その順番を間違わないで」とパフォーマンス優先となることにクギを刺した。そこには2023年に北海道北広島市に開業する新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」に向けたチーム戦略が見え隠れしている。契約は1年で背番号は「1」。「優勝は目指しません」と新庄流を貫くことを宣言した新監督は、そのミッションを達成することができるのか?
「(ドームの)天井から選手と一緒に降りる」
期待を裏切らない。札幌市内のホテルに設定された壇上に登場した新庄は、通常のスーツにネクタイ姿ではなく、派手なワインレッドのスーツに真っ白なシャツの襟を立てて現れた。新庄世代の俳優で言えば、まるでジョン・トラボルタ。「サタデーナイトフィーバー」ならぬ「SHINJOフィーバー」いや、彼がメディアに配った名刺の表現を拝借すれば、監督新庄ではなく「BIGBOSS(ビッグボス)SHINJOフィーバー」である。 注目の第一声は「選手兼監督で契約をした」とのジョーク。昨年のトライアウトに参加して48歳とは思えぬ動きを披露していただけに、川村社長が「いえいえ。監督だけです」と訂正していなければ、衝撃のサプライズに聞こえた。 事実、この後、「この1年体は作ってきた。あと一回、トライアウトを受けるチャンスがあるんで、それを今は考えている。そこで監督の僕が、あの選手いいやん!で取ったろうかなというのが頭の中にある」と現役復帰プランもほのめかした。 「日ハムを変えていく。プロ野球を変える。監督像を変える」と言う新監督の奇想天外な”新庄爆弾”が次から次へと炸裂した。 「試合中にインスタライブ」 「(札幌ドームの)天井から選手と一緒に降りる」 「今のユニホームは好きではない。僕の案で変えて下さいとオファー出す」 「あっちゃん(稲葉GM)はGM兼左バッター専用の打撃コーチを。僕も監督兼外野守備コーチの気持ちでやる」 「考えを本にまとめて選手に配る」など…。 これには会見に同席した畑佳秀オーナーも「私も胸が躍ったり、ドキドキ、ハラハラしております」と目を丸くしたほどだった。 プロ野球がエンターテインメントであるならば、新庄氏以上の監督適任者はいない。今のところ夢と希望を与えて日ハムファンだけでなく、プロ野球ファンを歓喜させているが、一方でコーチ経験もなく2006年に引退以来、野球界を離れ、昨年1年間、視察を重ねてプレーをインプットするまで、「ほとんど野球を見ていなかった」という半分タレントのような新庄氏を監督に据えた決断にネガティブな疑問も浮かぶ。 なぜ新庄氏だったのか。畑オーナーは抜擢理由をこう説明した。