ちょっと自慢したくなる…ムーンフェイズの時計5選 会話が生まれる、癒やされる
連載《腕時計マニアックス》Vol.13
時の概念は、太陽と月の運行の法則性から導き出されたもの。つまり、時計と宇宙とは切っても切れない関係にあるのです。文字盤に目を落とすたびにそのことを意識させてくれるのが、ムーンフェイズ付きの腕時計です。 【写真はこちら】ブレゲ、ジャガー・ルクルト、IWC…傑作5点のデザインやスペックをチェック! 基本的なムーンフェイズの仕組みの解説も 月に顔を描いたモデルも多いためか、ムーン「フェイス」と誤解している人も多いのですが、FACE(顔)ではなく、PHASE(位相)です。満ち欠けする月の位相(月相)を半円形の窓で表示するため、こう呼ばれています。 16世紀のクロックにはすでに存在していた古典的複雑機構で、今のムーンフェイズにつながる機構を確立したのは、アブラアン-ルイ・ブレゲ。数々の発明で時計の進化を2世紀早めたといわれる天才時計師は、18世紀後半から19世紀初頭にかけてムーンフェイズの付いた懐中時計の傑作を数多く手がけています。
■月の満ち欠け表示 文字盤にロマンチックな彩り
世界の多くの地域で太陽暦を採用する現代において、ムーンフェイズに何のメリットがあるのかという人もいるかもしれませんが、月の満ち欠けは潮の満ち引きの大きさに関係し、人のバイオリズムも左右するともいわれています。また、冒頭で書いた通り、時と宇宙との関係性に思いをはせることができるため、多忙な毎日を送る人には、時計を眺めることがちょっとした息抜きにもなるのではないでしょうか。 何よりムーンフェイズは、時計の盤面にロマンチックな彩りを与えてくれます。アイキャッチ効果も高いため、時にはカンバセーション(会話)ツールとしても活躍してくれるでしょう。 ムーンフェイズのセッティングが面倒だからと、実際の月相とのずれを気にしない人も多いようです。時計装飾の一種と割り切ってしまうわけですね。まあ、それはそれでアリだと思いますが、小窓と天空の月がぴったり同じ形だと気持ちがいいもの。一般的なムーンフェイズの調整であれば、説明書さえ読めば誰でもできます。 もしムーンフェイズ付きの時計を入手されたのなら、たまにはつける前にインターネットなどでその日の月齢を調べ、盤面のお月様が正しい位置にあるかチェックしていただきたいものです。