怖い、怖い、怖い…年金12万円「老人ホーム入居」の85歳母、深夜の電話口で聞こえる悲鳴。翌朝、駆けつけた家族が息を飲む「凄惨な光景」
高齢化の進展とともに増えている認知症患者。その家族の負担は、大きなものがあります。在宅で暮らしていくのに限界を感じたら、老人ホームへの入居も選択肢のひとつ。そんな老人ホームではドタバタも日常茶飯事のようです。 ★【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
増加する認知症患者とそれを支える家族…重い介護負担
高齢者人口の増加とともに、増加しているのが認知症。厚生労働省によると、2025年には約700万人と高齢者の5人に1人が認知症に達するとしています。認知症は年齢が上がるにつ入れ有病率が上昇するとされ、団塊の世代が75歳以上に達する2037年に向けて、認知症患者はますます増えていくと考えられます。 「加齢によるもの忘れ」と「認知症」は混同されがちですが、たとえば体験したことに関して、加齢によるもの忘れの場合、一部を忘れますが、認知症の場合はすべてを忘れます。朝食であれば、加齢によるもの忘れであれば何を食べたか思い出せないのに対し、認知症では朝食をとったことさえ忘れてしまいます。また加齢によるもの忘れの場合、もの忘れの自覚はありますが、認知症の場合は自覚症状がないことが、家族の負担を大きくします。 清水直美さん(仮名・52歳)。同居する母・洋子さん(仮名・80歳)は、アルツハイマー型認知症。異変に気づいたのは、物忘れがひどくなってきたから。しかし、洋子さんにその自覚はなく、「いった・いわない」でよくケンカを繰り広げたといいます。 認知症とわかって、直美さんとしてはホッとした部分もありましたが、さまざまな症状が出てきたり、悪化したりしてくると、負担も増えていきます。最近は徘徊も目立つようになったり、幻覚や妄想で騒いだりと、在宅での介護が難しくなってきました。 ――家でみるのは限界かもしれない 株式会社LIFULL seniorが行った『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』によると、「入居を考えるきっかけとなった状況」として最も多かったのが、46.0%で「認知症」。33.3%が「認知症以外の疾患」、29.6%「入院」と続きました。 また具体的な認知症の症状としては、「排泄の失敗」が最も多く32.3%。「お金の管理ができない」29.0%、「怒りっぽくなる、暴力をふるう」18.2%、「食事のトラブルを起こす」17.2%、「外出して戻れなくなる、家を間違える」16.7%と続きます。