労働組合の全国組織「連合」は本当に「はたらく人」の味方なのか…政治・経団連との距離感を会長に聞いてみた
“対決より解決”を目指す
国民民主党が掲げる“対決より解決”というスローガンについて聞いた。 「政党もそうですし、私たち労働組合もそうですけど、政策を実現して行くということがとても重要ですし、課題解決型というのが今の時流ではないかなと思っているんですね。 労働組合の国際組織などでも、いわゆる過去の労働組合の“闘う”というよりは、社会的な“対話”で課題解決をして行くということで、国際組織でももう対話重視に変わってきているので、そういう点では“対決より解決”というのは、連合の方向性としては一緒なので、それは評価しています」 選挙直後に明らかになった、玉木代表の不倫騒動についても聞いてみた。 「私たち連合の役員もそうなんですけど、やはり組織のトップ、公党の代表者というのは、より高い倫理観を求められていると思いますので、ああいう行動というのは許されないと思いますし、ご本人はもちろんのこと、国民民主党の支援者に対してもある意味、裏切り行為であると思います。信用を失う行為だと思いますので、これは絶対に許されないと思っています。 (政治的責任の取り方については)ご本人が判断することだと思います。支援団体としても党の皆さんにも私が言いたいのは、やはり期待をしているからこそ厳しくあって欲しいなと思います」 衆院選後の特別国会で行われた首相指名選挙では、立憲民主党の野田代表との決戦投票の結果、自民党の石破総裁が指名された。その首相指名選挙で国民民主党は1回目も2回目の決選投票も「玉木」と書いた。 もしも国民民主党など野党が結束して決選投票で野田代表に投票していれば、政権交代していたのにという思いは、芳野会長には無いのだろうか。 「数の上ではそうですけれども、結局そうなったとしても、それぞれの政党の政策が一致していなければ、結果的に政策実現には向かいませんので、数だけで判断するというのは危険だなと思います。その前に、やはり政党間で政策のすり合わせが必要だと思います。 連合としては立憲民主党と国民民主党を支援していて、両党で政策を合わせて、最終的には大きな塊をつくり、やはり与野党が緊張感のある政治を作っていかないと意味がないと思っています。 両党に連合の組織内議員が居ますので、連合の政治懇談会のメンバーを中心に擦り合わせを行って、選挙を一緒に戦える形、政策実現ができる形にまずもって行きたいということで、この間も擦り合わせをずっとして来ているので、それを継続して行くということになります」