防衛医大看護学科に首席で入学もパワハラで退職…元自衛官が「セクシー女優」に転身してわかったこと
1年先輩は「すでに半数が退職」の噂
「自衛隊員は簡単にクビにはならないし、絶対に年功序列でポジションが上がっていく組織ですし、給与もそこにしがみついていれば出ます。でもそれをいいことに年配の方が自分たちの都合で物事を判断しているようなことがあって……。 たとえば、人間ドックの検査結果に基づいて生活、食事指導をする仕事があって、それはコロナの時期に一時免除されていたのですが、それを私を含めた若い看護師などが現場レベルで復活させようとしたんです。私たちとしては現場経験を増やすことで成長できると思ったのですが、上の方からしたら仕事が増えること、何かあった時に責任をとらないといけない、ということで難色を示していました。そこで私は上の方の考えを変えてもらえるように複数の方に掛け合って仕事として復活させることができたのですが、私自身は『あなたの仕事ではない』とやらせていただけなかった。正しく生きていきたいと考えている人が残念ながら、報われないんです」 吉川さんは’22年3月末に退職したが、その時「1年先輩の1期生がすでに半数ほど退職している」という噂を耳にした。吉川さんが退職した’22年の夏ごろまで自衛隊にいれば、2等陸尉への昇級も確実だったという。 吉川さんが退職した時期の’22年3月に開業した自衛隊入間病院で’23年1月に部外から採用した看護師が亡くなった。関係者によると、就職前に説明された内容と実際の勤務が異なり、激務を苦にした自死といわれている。 ただでさえ、緊張を強いられる自衛隊員にとって、看護師不足は、「いざという時に看てもらえる」安心感がどんどん失われていることを意味する。自衛隊員に「国の自衛のために働いてほしい」と願うのであれば、バックアップを担う看護官の職場環境にも“メス”を入れる必要があるのではないだろうか。
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