「海外からオファーも」アビスパ福岡・紺野和也がチーム残留を決めた舞台裏「移籍したのとほぼ同じような感じかな」
今季で加入3年目、2023年にクラブ初タイトルとなるルヴァン・カップ制覇に大きく貢献し、昨季はサポーターが投票するアビスパ福岡選抜総選挙で1位になるなど名実ともにアビスパ福岡の〝顔〟となった紺野和也。 ■「海外オファー」の真相…父はレッズサポーターの〝レッズキラー〟浦和からは?【インタビュー後編完全版】 今季の飛躍も期待される熱心なアビスパ福岡サポーターでもあるポップスユニット・Neontetraのボーカル、セイカがインタビューしました。FC東京からアビスパ福岡へ移籍した際の決め手、海外チームからのオファーの話、2025年シーズンに向けて契約を更新した真意や抱負などを聞いた。 セイカ)紺野選手は2019年にFC東京の特別指定選手として試合に出場されてはいましたが、2020年に大学を卒業され、本格的にプロ生活をスタートされました。当時のFC東京は長谷川健太監督だったと思うのですが、長谷川監督の元でプロ1年目を終えてみていかがだったでしょうか。 紺野選手)シーズン最初の頃は試合に使ってもらっていたのですが、結果1年目は9試合しか出ることができませんでした。シーズン途中はメンバー外の時期もあり、気持ち的に結構苦しかったですね。そう簡単に1年目から試合に出ることは難しいよな、と。 セイカ)ご自身の中で、試合に出られない理由について思い当たることはあったのでしょうか? 紺野選手)おそらく、守備の面で、健太さんの基準に達していなかったんだと思いますね。でもそこで守備への意識が変わって、だいぶ鍛えられたので、できるようになっていきました。その守備への意識の強化が、今のアビスパ福岡でも生かされていると思います。 セイカ)そうだったんですね!アビスパはまず全員で守備をきっちりしますからね。「守備への意識が変わった」とおっしゃいましたが、それを具体的に教えていただけないでしょうか。 紺野選手)結局は「走ること」なんですよね。前線からボールをしっかり追って相手DFにプレスをかけてくれたら、自陣のDFは少し楽になるじゃないですか。でも、ただただがむしゃらに走ればいいというわけじゃないんですよね。相手がボール蹴るコースを限定しにいくのか、相手の自由を少しずつ奪っていって味方がボールを獲りやすいようにしていくのか、とか。ポジショニングも大事になってきますし、相手に寄せるスピードや強度も必要です。プロの世界では、攻撃だけしていても通用しないんだなって思いましたね。 セイカ)プロ2年目となる2021年はリーグ戦3試合に出場されていますね。 紺野選手)実は、サッカー人生で初めて大けがをしたんですよ。前十字靭帯を損傷してしまって。しかも開幕した次の週くらいだったと思います。前十字靭帯って、怪我したときにブチっていう感覚でわかるはずなんですけど、当時はその怪我に全然気が付かなくて、ちょっと膝が痛いな、くらいでした。 セイカ)そしてプロ3年目の2022年、J1リーグで30試合に出場されています。私としては、第19節のアビスパ戦で紺野選手に強烈なミドルシュートを決められて、「やられた」と。なんてうまい選手なんだろう、と思っていました。プロ3年目は充実していたんじゃないでしょうか。 紺野選手)このシーズンから監督がアルベル監督に代わったんですよね。シーズンを通して、ほぼほぼ試合にも出場できて、一定の評価をしてもらったんじゃないかと思っています。監督の戦術である、ボールを保持して攻めるというスタイルが自分に合っていたんじゃないかと思いますね。3年目になって、J1でやれる自信がついてきましたね。 セイカ)2023年にアビスパ福岡へ移籍してきてくださいました。正直なところ、FC東京でこれだけ試合に出ていたら、移籍する必要ってあるのかな?と思うんですが。 紺野選手)実際に、FC東京からは契約延長のオファーはもらっていました。そのような中で、最終戦が終わってから割とすぐに、アビスパの柳田強化部長からオファーがありお話をさせていただいたんですよ。その際に柳田さんから「来シーズンの補強の一番手だ」というようなことを言っていただき、とにかく自分を必要としてくれているんだな、ということを感じたので移籍を決断しましたね。 紺野選手)実は2022シーズン中から、アビスパが僕に興味を持ってくれているというのは代理人から聞いていたんですよ。アビスパは当時、J1残留争いしていたと思うんですが、J1に残留すれば(紺野選手に)オファーが来るかもしれないよ、と代理人が話していて。最終節、アビスパはレッズとの一戦でしたよね?僕としては来シーズンの自身の選択肢を広げたいと思っていたので、何とか残留を決めてくれって願っていました笑。 セイカ)そうだったのですね! 紺野選手)ただ、当時のアビスパは、後ろから前線にロングボールを蹴りこんでいく攻撃のスタイルだったので、プレースタイルが合うのかな?とは思いましたね。ただ、柳田さんから、今後、徐々にボールをつないでいく攻撃にもトライしたいっていう話を聞いて。実際に、2023シーズンや昨シーズンの練習でボールをつないでゴールを狙っていく形はトライしているので、少しずつアビスパとしてそういう攻撃ができてきたのかな、と思いますね。 セイカ)2023シーズン、アビスパでプレーされていかがだったでしょうか。 紺野選手)シーズン最初の頃は、チームと自分のスタイルをどうフィットさせるかというところが難しかったですね。シゲさん(長谷部監督)に開幕戦から使ってもらって、試合に出続ける中で、数少ないチャンスでどう仕留めるかを考えるようになりました。 ▼「3クラブからオファー」FC東京を選んだ理由は?【インタビュー前編】▼