「戦後最大級の危機的状況にある」自民・岸田総裁会見7月11日(全文2完)
実質賃金をいつまでに上昇させる考えか
そしてさらに今後、背景に世界規模の物価高騰があるわけですから、これ、なかなか今後、予断は許されない、厳しい状況にも備えなければいけないということで5.5兆円の予備費を補正予算で用意したわけですので、この5.5兆円の予備費も、機動的に対応することもしっかりと考えながら今後に備えていく。これが今後の政府の物価高騰における国内対策であります。併せて、先ほどもこれは触れましたが、国際的にも協力して物価高騰に備えなければいけないということで、石油におけるプライスキャップ制度を協力してやっていこうとか、ウクライナの小麦輸出、これを世界で協力して推し進めていこうとか、こうした取り組みも物価対策として、政府として考えなければいけない取り組みであると考えています。以上です。 東京新聞・中日新聞:自民党が政権に復帰してから10年ですが、賃金が物価に追い付いていません。実質賃金は低迷したままです。これをいつまでに明確に上昇させるお考えでしょうか。 岸田:賃金の引き上げ、すなわち人への投資の重要性については、私が政権に就いてから、最初から強く申し上げてきたところです。昨年来、官民で協力する形で賃金の流れをつくろうということで、政府において賃上げ税制、あるいは補助金や、あるいは政府調達における賃上げに積極的な企業の優遇ですとか、あるいは価格転嫁の取り組みなど、呼び水となる政策をまず政府をつくり、そして民間にこの賃上げの流れを拡大していく、こうした取り組みを進めてきました。結果、今年の春闘においても、この20年間で2番目に高い賃上げの数字を示すことになった、こうしたことであります。
成長と分配は両方必要
ただ、物価高騰は続いてるわけですから賃上げはさらに持続させなければならないわけですので、こうした官民協力をしながら進めてきた賃上げの雰囲気、これを、例えば今後も最低賃金、少なくとも1000円以上を目指すということも明らかにさせていただいておりますが、こうした取り組み等を通じて、こうした流れを、よりしっかりとした、そして継続したものにしなければならない。さらにはこの継続的な賃上げのためには賃上げの原資が必要なわけですから、経済の成長、これも併せて、並行して行わないと持続可能な賃上げを実現することはできない、こういったことでありますので、従来から申し上げておりますように成長と分配、これは両方必要である。成長か分配かではなくして、成長も分配も。これが持続可能な経済をつくるためのポイントだと、その基本的な考え方に基づいて経済政策を進めていきたい、このように思っています。以上です。 司会:ありがとうございました。それではその他ご質問ありましたら、挙手の上、私が指名いたしますので、マイクを受け取り、社名、氏名をいただいた上でご質問をお願いしたいと思います。なお恐縮でありますが、所定の時間が迫っておりますので、あと2問とさせていただきたいと思います。それでは挙手どうぞ。中央の2列目の方。